2015年2月3日火曜日

敦-杏子 Produce URASUJI 2015「綱渡り」

2015年2月2日 19時開演 下北沢ザ・スズナリ
作・演出:松村武
出演:杏子、深沢敦、岩崎大、西村直人、池田有希子、草野とおる、森貞文則、中野順一朗、藤田記子、吉田晋一、内藤大希、佐藤恭子、亀岡孝洋、中川浩行、村田穣、高祖正浩、羽場涼介、ちゃこ、松田凌、俵木藤太、小川菜摘
演奏:山田晃士、十倉綾子
面白い舞台ではあったのですが、今ひとつ心から楽しめはしなかったというのが、正直な感想です。現代の怪女優の一人である深沢敦と、今や歌が少しうまいハスキーボイスのおばさん杏子の共同プロデュースによる芝居ですが、ストーリーは「必殺仕事人」を完全にパクリ、随所で歌いまくり、踊りまくるという構成でした。いってみれば、芸達者な人のカラオケを聴いているような感覚で面白いのですが、芝居としたら物足りない感じが否めません。唯一、絵島役の俵木藤太が生真面目な役のまま、歌い踊ったシーンには感動しました。

モダンスイマーズ「悲しみよ、消えないでくれ」

2015年1月29日 19時開演 東京芸術劇場シアターイースト
作・演出:蓬莱竜太
出演:古山憲太郎、津村知与支、小椋毅、西條義将、生越千晴、今藤洋子、伊東沙保、でんでん
同棲中の女性を土砂災害で亡くして以来、その女性の実家である山小屋に居候している小説家志望の男と、その山仲間が二周忌に集まってくる。小説家志望の男は全くのだめ人間であり、同棲中だった女性を偲ぶと言いながら、歩荷の人妻に手を出したり、まともに仕事もできない。山仲間も実社会でまともに生きているようでありながら,だんだんとだめ人間ぶりが明らかになっていく。だめ人間のオンパレードが笑いあり、シリアスなところありで展開していく。その中で、山小屋の主人であるでんでんだけが,まともである。これは芝居の質も関係していると思うのだが、でんでんの決してうまいとは言えない,古くさい芝居が周りの芝居との対比で、素直にものを言う裏表のない実直な人柄を表して、とてもおもしろい。この劇団は、「楽園」の深沢敦の時もそうだったが、キャスティングが絶妙にうまい。