2012年12月27日木曜日

城山羊の会「あの山の稜線が崩れていく」



2012年12月5日 19時30分開演
作・演出:山内ケンジ
出演 : 岸井ゆきの、石橋けい、古屋隆太、岡部たかし、永井若葉、本村荘平、猪野学、
また、面白いのか面白くないのか、判断に困る芝居に遭遇しました。東京乾電池の芝居に続いて今年2回目です。
普通芝居を見ると、最初に面白いか面白くないかの判断があって、次にどこが面白いのか、何が面白くないのかの、具体的な理由に進んでいくのですが、この芝居は面白くないわけではないが、何が面白いのかよくわからないのです。慌てて、ネットで観劇記や、劇評を探したら、シュールなコメディとか、不条理な喜劇というような言葉が並んでいました。
これが正しければ、不条理劇だということになりますが、私のイメージする不条理劇とはずいぶん感じが違います。私の知っている不条理劇は、不条理自体は見えないもので、登場人物は、その周りを手探りで進みながら、あるかないかわからない不条理について語っていくというようなイメージだったのですが、この芝居では、最初から不条理がゴロンとそこにあるような感じなのです。登場人物達はそれに多少の抵抗はするものの、最終的には押し流されてしまいます。
ストーリーは、平和な3人家族の家に突然。隣の弁護士夫婦が訪ねてきて、娘の本当の父親が出所してきて、妻と娘を引き取りたいといっていると言い出す。そこへ、とうの父親も現れ、強引に連れて行ってします。妻と娘は、多少抵抗するも最終的には一緒に出て行ってします。孤軍奮闘、腕力までふるった父親は、一人残され、偶然居合わせた娘の家庭教師を、娘に見立てて、ビールを飲むところで終わる。
私のこんなことはあり得ないという常識的な気持ちが、どこがおもしろいのかわからないという気持ちの根底にあるような気もするのですが、ラストシーンの家庭教師とビールを飲むところは、あきらめなのか、ささやかな抵抗なのかもよくわかりませんでした。

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