2015年8月12日水曜日

鉄割アルバトロスケット「HODOCHICCHI」

2015年8月10日 19時30分開演 下北沢ザ・スズナリ
作:戌井昭人
演出:牛島みさを
出演:戌井昭人、奥村勲、中島朋人、中島教知、村上陽一、マークス雅楽子、向雲太郎、南辻史人、松原東洋、渡部真一、東陽片岡、山本ロザ、池間由布子、横山智輝、古澤裕介
最近、過剰なものを求めている私ですが、「謎のパフォーマンス集団」鉄割アルバトロスケットでは、少しもの足らないようです。名前の面白さにつられて前々からみたいとおもっていましたが、いざ見てみるとそのオフビートなオチの付け方には興味をそそられるものの、全体の緩さについて行けませんでした。2時間半の中に37ものコントのようなものが詰め込まれていて、ほとんどの演目は残念ながら面白くありませんでした。
となりの何回か見ているらしい人も、「今回はあまり面白くない。前回は、・・・・・」とガールフレンドらしき女性に一生懸命言い訳をしていましたから、出来不出来が激しいのかもしれません。ただ、かかる音楽は、私の趣味と似ていて面白いものが多かったです。

土田英生セレクション「算段兄弟」

2015年8月9日 15時開演 三鷹市芸術文化センター星のホール
作・演出:土田英生
出演:村岡希実、竹井亮介、尾方宣久、渡辺啓太、高橋明日香、もたい陽子、七味まゆ味、土田祐太、大村わたる、石丸奈菜美、本多力、土田英生
土田英生セレクションというのは、過去の土田英生の脚本を彼の望む配役で再演出するというシリーズで、「算段兄弟」で3回目だそうです。
脚本は、「しらふな顔でしれっとシュールなことを言い放つ。」という土田の特色がよくでた面白い物でしたし、役者もそれなりに適材適所でうまい人がそろっていました。全体の印象としては中の中という感じで、過剰な物が見たいという私の最近の気持ちからすると、あまり面白いとは言えない物でした。
一番気になったのは、男優陣がデフォルメされた極端な性格を演じていたのに比べ、女優陣はおしなべてノーマルな性格を演じていたのが気になりました。
ラストで女性だけが死んだ父親の家に集まって、いわゆる女子会を開くという設定から逆算されたものだとは思いますが、そこに行くまでは、結構違和感がありました。

東葛スポーツ「ニューヨーク、ニューヨーク」

2015年8月1日 21時開演 3331 Arts ChiyodaギャラリーB
構成・演出・DJ:金山寿甲
出演:古関昇悟、牛尾千聖、金山寿甲
前回、あまりのとちりの多さに妙に感動した東葛スポーツをまた見てきました。今回は、上演時間1時間、登場人物も3人だけでしかも再演ということで、前回あんなに多かったとちりも目立った物は1回だけというスムーズな展開でした。しかし、そのとちりの少なさに正比例して面白さも半減していました。
今回は、Nasの「illmatic」というヒップホップのCD制作のドキュメンタリーらしい映像をバックにこたつにはいった男女がお互いにdisりあうという構成でしたが、そのラップの歌詞もその場でスーパーインポーズするのではなく、あらかじめ制作された歌詞つきの映像を流すなど、進化していました。しかしスムーズに行けば行くほど、面白くはなくなります。
ラストも、ニューヨークに行きたいと願う女は実は下半身麻痺で、男の助けがなければトイレにも行けないという妙にウェットなオチで終わります。内容もなければ、それほど面白くもないというないないづくしの芝居でした。
やはり、前回の面白さはあまりのとちりの多さに笑ってしまうしかないという面白さだったようです。

ハイバイ「ヒッキー・カンクーントルネード」

2015年8月1日 14時開演 小田原市民会館
作・演出:岩井秀人
出演:田村健太郎、岡田瑞穂、後藤剛範、平原テツ、チャン・リーメイ
なかなか見ることのできなかったハイバイの代表作「ヒッキー・カンクーントルネード」を小田原まで出かけてみることができました。
2012年にパルコ劇場で、「ヒッキー・ソトニデテミターノ」を見て面白かったことは覚えているのですが、「ヒッキー・カンクーントルネード」はたびたび再演されているにもかかわらず、スケジュールが合わずに見逃していました。それでこのたび思いきって、チケット代金と同額の交通費2500円を払って,小田原まで見にいったわけです。
小田原市民会館に入ってみると、舞台の上手半分が客席、下手半分に黒パンチがひいてあって舞台というしつらえになっていました。道具もダイニングテーブルとイス、カーペットとハイバイオリジナルの2つのどこでもドアなど簡素な物だけで、運搬もハイエース1台で済むのではないかと思えるほどでした。
さて肝心の芝居ですが、これは感心はするが感動はしないという結果となりました。主役の引きこもりである登美雄の演技のせいか,私の年のせいか一切感情移入できず、お母さん役の平原テツの演技に感心するばかりとなりました。平原テツの女形を見るのは初めてでしたが、無理に女性に寄せようとはせず、いつものまま、台詞だけ女性言葉にしてあるだけという思い切りの良さが,リアリティを増していました。登美男は何を言っているのかよくわからず、最後までなにをいっているのかわからないままでした。