2019年6月29日土曜日

Newyork2019 Vol.24 「Working: A Musical」

2019年6月26日 19時30分開演 Newyork City Center
1974年に出版された スタッズ・ターケルのインタビュー集「Working : People Talk About What They Do All Day and How They Feel About What They Do」を元にしたミュージカル「Working: A Musical」を見ました。インタビュー集は翻訳されて私も読んだ覚えがあります。とにかく、単行本で暑さが5㎝以上あり、ものすごい数のインタビューが納められていました。読み終わるまで持ち歩いていたので、常に鞄が重かった事を覚えています。個々のインタビューについては記憶がありませんが、全体の印象として、「人はどうしても自分の仕事に対して、報酬以外の意味、やりがいとか、誇りとかを求めてしまう。そして、それは悪いことではない。」というものでした。
プレイビルによれば、このミュージカルの初演は1977年にスタッズ・ターケルの地元シカゴで行われたようです。
インタビューをミュージカルにするということで、どうしてもモノローグと歌の繰り返しになります。元々のインタビューが関連するものではないので、脚本の構成で関連づけようとしても、限界があります。結局、たいした盛り上がりもないまま、なぜか「ニューヨーク・シティ・センター、リノベイトおめでとう!」みたいになって終わってしまいました。元々、そのまま、ミュージカルにするには無理があった素材だと思いました。

2019年6月26日水曜日

Newyork2019 Vol.23「Chicago」

2019年6月24日 20時開演 Ambassador Theatre
Misoppa氏のThe Chronicle of Broadway and meブログによれば、City Centerのアンコール・シリーズでリバイバル上演されたのが、1996年。翌年からブロードウェイでの上演が始まり、今年で22年。多分、現在上演されているミュージカルの中では、最長ロングラン記録ではないだろうか。次はライオン・キングあたりだろうか。
現在のロキシー・ハートはデシ・オークレー、ベルマ・ケリーはアムラ・フェイ・ライトで、いったい何代目になるのだろうか。
さて、そのロングラン公演のはての舞台のできはというと、やはりそれなりとしかいいようがない。舞台には、脚本のできとか演出の斬新さとか役者の演技のうまさだけではなく、「今」という熱狂のようなものが、出演者だけでなく観客に必要なのだと思います。その「今」をその場にいあわせた全員が共有できることが、よい舞台と言える鍵なのです。長年やってきて「お仕事」とかしている演技と、「名物」を見に来る観客の間でそれを共有することは難しいです。
7月1日から14日までは、米倉涼子がロキシー・ハート役で3度目のブロード挑戦だそうです。がんばっていただきたいものです。

Newyork2019 Vol.22 「Wolfgang Steakhouse」

2019年6月24日 12時頃
久しぶりに高いステーキを食べました。Wolfgang SteakhouseのRib-eye steakです。Wolfgang Steakhouseはマンハッタンにいくつかあり、他のお店もいったことがありますが、ここPark Ave.のお店が一番落ち着いていて、ステーキの焼き加減も最適で美味しいと思います。重さはメニューに載っていませんが、多分600グラム以上あったと思います。赤みの肉なのでしつこくなく、あっさりと食べられます。
行ってみて一番驚いたのは、お店が入っているビルがまだ工事中だった事です。昨年行ったのも確か6月だったので、1年以上工事していることになります。しかも、進んでいる感じが全くありません。
上の写真は地下鉄の中で見かけた、反Airbnbの市条例の告知というか、キャンペーン高校です。「世界最高のピザがどれか知ることはできないだろうが、違法な短期レンタルを防ぐ方法を知ることはできる」と書いてあります。さらに下には「もしあなたが不在の間に30日以下の期間でゲストを迎えると、家主は法的な行動を起こすことができます」とも書いてあります。段々規制が厳しくなってきているようです。

2019年6月24日月曜日

Newyork2019 Vol.21 「Pilobolus Dance Group」

2109年6月22日 14時開演 Joyce Theater
ブロードウェイ・ミュージカルの情報を知るために、よく参照させていただいているMisoppa氏のブログで「ちょっとエッチなダンスグループ」と紹介されていたので、見にいきました。確かに面白いです。うまく言えないのですが、ダンサー同士のつながり方、手をつないだり、リフトしたりの方法が、一般的なものとは違います。アクロバティックだったりしますが、基本にあるのはダンサー同士の深い信頼関係だと思います。その信頼が、他よりより親密なつながり方になって現れているのだと思います。そのつながりが「ちょっとエッチ」と感じられるのかもしれません。

2019年6月22日土曜日

Newyork2019 Vol.20 「Beetlejuice」

2019年6月21日 20時開演 Winter Garden Theatre
ティム・バートンの映画「ビートルジュース」を元にした「Beetlejuice」を見ました。特に斬新な舞台装置を作らなくても、新しい解釈の演出にこだわらなくて、面白い舞台はできると証明するようなミュージカルでした。
一幕は、「スクール・オブ・ロック」の主演をしていたアレック・ブライトマン演じるビートルジュースの喋りと動きに頼りきりで乗り切り、二幕はリディア役のソフィア・アン・カルーソーのなき母親に逢いたいという想いだけでのりきってみせるという、わかりやすく面白い舞台でした。
強烈な個性がある役者がいれば、ブロードえぇいの今までのノウハウをスムーズにつなぎ合わせていけば、十分面白い舞台を作ることができるということでしょうか。そういえば、「トッツィー」もある意味同じ考え方でできていると言えると思います。

2019年6月21日金曜日

Newyork2019 Vol.19 「The Cher Show」

2019年6月20日 19時開演 Neil Simon Theatre
「The Cher Show」を見ました。今年のトニー賞ベストミュージカル主演女優賞を取ったステェファニー・ジェイ・ブロックはアンダースタディに交代していたので、見られませんでしたが、代役のディー・ロッシオリもなかなかの熱演でした。タイトル通りシェールのショー・ステージという括りの中で、若い頃のシェール、全盛期のシェール、現在のレジェンドとしてのシェールという三人のシェールが、それぞれ、もしくは一緒に人生をふり返って行くという構成です。あくまでショー・ステージなので、素早い転換と短い芝居で中だるみしにくいのはよいアイディアだと思いました。
見ながらずっと考えていたことは、「歌の力」と「芝居の力」の違いについてでした。歌には一瞬にして別次元に連れて行ってくれる力があるますが、芝居はそれよりも時間をかけてより広い世界を見せてくれる力だと思います。ミュージカルの中の歌はどうしても芝居に引っ張られて、一瞬にして世界を変える力が弱まってしまう傾向があります。今回のようにショーという枠組みを作ると、なぜか煮え切らない感じがするのはそのせいだと思います。

Newyork2019 Vol.18 「The Prom」

2019年6月19日 14時開演 Longacre Theatre
今年のドラマ・デスク・アワード ミュージカル部門作品賞を受賞した「The Prom」を見ました。インディアナ州の片田舎エッジウォーターのレズビアンの高校生が卒業記念のダンス・パーティー「プロム」にガールフレンドと出席したいと言い出したことから大騒ぎになり、PTA会長が断固反対のメッセージを地元放送局を通じて表明します。一方その頃、ブロードウェイではエレノア・ルーズベルトのミュージカルが初日を迎えますがニューヨーク・タイムズに酷評され、それを挽回すべくこのプロム騒動に目をつけて、役者たちが乗り込み、騒動が始まります。とにかくこのブロードウェイ・アクターズのキャラクターがよくできています。トニー賞に2回ノミネートされたことがある魅力のないライザ・ミネリのような女優、自分ではいけていると思っている中年のゲイの男優、ジュリアードのドラマ部門卒業が自慢の、役に立たない二枚目の男優、ホッシー・ガールのなれの果てのような女優など、少しでもブロードウェイ・ミュージカルに興味がある人なら笑ってしまう設定です。すったもんだの末、ハッピー・エンドで終わるのですが、そのきっかけもSNSに投稿した主人公の決意と心情を歌った歌に、多くの共感が得られたのがきっかけという今日的な理由で、LBGTの時代にマッチして、無理のないものです。役者では、主人公のガールフレンド役を演じたイサベラ・マッカーレがエッジの効いたしっかりした演技で目にとまりました。

2019年6月20日木曜日

Newyork2019 Vol.17 「King Kong」

2019年6月18日 19時開演 Broadway Theatre
巨大な操り人形ミュージカル「キング・コング」を見ました。事前に知り合いから「ストーリーが単純すぎてつまらない」と聞かされていたのであまり期待もせずに見にいったのですが、あにはからんやとても面白かったです。面白さの原因はただひとつ、高さ6m、重さ1.1tのキングコングが動くことです。極端に言えば、俳優も筋書きも音楽もキングコングの為のサイドストーリーにすぎない、そんな割り切りさえ感じさせるほどキングコングが動くところは面白いです。両肩から太いワイヤーで吊されてそれで全重量を支えつつ、腕や足の動きを人力のロープと滑車で見せる、細かい動きは直接手や足を人が押したり引いたりしてつけていくという仕掛けは見え見えなのに、いや、見え見えだから面白いのかもしれません。全体重をワイヤーで支えている都合上、その場で立ったり座ったりはできますが、大きな場所移動は、いちいち転換幕を下ろして作業する必要があったり、欠点をあげていけばきりがありませんが、そんなことは気にならないくらい巨大なものが動き回ることには魅力があります。

2019年6月19日水曜日

Newyork2019 Vol.16 「Mel Brooks on Broadway」

2019年6月17日 19時開演 Lunt-Fontanne Theatre
「Mel Brooks on Broadway」を見てきました。私としてはミュージカル「プロデューサーズ」の裏話でも聞ければと思っていってみたのですが、話題のほとんどは映画についてでした。私にとっては「サイレント・ムービー」や「ブレイジング・サドル」などの割と面白い映画を撮り、ミュージカル「プロデューサーズ」のプロデューサーという認識ですが、プレイビルを読んでみるとトニー賞だけでなく、グラミー賞、アカデミー賞を何度も取っている巨匠なのですね。びっくりしました。観客も年齢層はかなり高めでしたが、満員でした。
会場のルートーフォンテェーン・シアターは、確かブルース・スプリングスティーンのブロードウェイ公演が行われた会場で、最近は期間限定の公演を行っているようです。

Newyork2019 Vol.16 「Oklahoma!」

2019年6月16日 15時開演 Circle in the Square Theatre
歴史上アマチュア劇団や学校の学生による上演を合わせると、全米で最も上演されているミュージカルといわれる「オクラホマ」を観てきました。
この作品は、今年のトニーでベストリバイバルミュージカルになりました。昔の映画を見るとお気楽な恋愛ものとして描かれていますが、この舞台では違います。音楽は、暗く重苦しく演奏されますし、役者は自分が演じている事が気に入らないかのように演じます。今日の文脈で読み直した新しい演出ということは知っていましたが、実際に見てみると戸惑いました。どのような文脈で読み直されているのかいまいち理解できず、イライラや鬱憤だけが貯まっていくような舞台でした。




2019年6月17日月曜日

Newyork2019 Vol.15 「Snarky Puppy」

2019年6月15日 20時開演 Brooklyn Stell
今回ニューヨークに来るきっかけになったスナーキー・パピーのライブに来ました。今年の初め、新しいCDの発売と前後して、ワールドツアーのスケジュールが発表になりました。その中に「6/15 Brooklyn」の文字がありました。後先考えずに即予約しました。その後、4月に日本公演があることを知り、もちろん見にいきましたが、お疲れだったのか演奏時間も短く、満足のいくものではありませんでした。それで満を持してのブルックリン・スティールです。ワールドツアー2クール目のラストステージで、ひさしぶりの地元での公演、盛り上がらないわけがありません。
スナーキー・パピーのライブの最大の魅力は、ブラスセクションのソリです。切れ味鋭く、ユニークなフレーズをビシバシ決めてくれるのが最高です。


2019年6月16日日曜日

Newyork2019 Vol.14 「Tootsie」

2019年6月14日 20時開演 Marquis Theatre
今年のトニー賞でサンティノ・フォンタナがミュージカル主演男優賞を取った「Tootsie」を観ました。絶え間ない逆の連発で客席は大受けでしたが、ほとんどが台詞のギャグなので私の英語力ではそれほど楽しめませんでした。一番受けたのは、訪ねてきた自分のエージェントに女装がばれ、「これならトニー賞が取れる」と言われた場面です。本人が後ろを向いてしまい必死で笑いをこらえるシーンは、なんとも言えないどよめきと笑いでかなりの間芝居が止まりました。ブロードウェイにおけるトニー賞の大きさを感じました。
光っていたのは主人公の同居人で、少々エキセントリックで偏執狂的なところのあるトッツィーのバランスをとる役割をクールに演じたジェフ・スレーター役のアンディ・ガーテルーシェンです。終始トッツィーをなだめながら、ラストには芝居仲間のサンディとできてしまう、ちゃっかりしたところもあり最高です。と思ったら、ちゃんとミュージカル助演男優賞にノミネートされていました。

2019年6月15日土曜日

Newyork2019 Vol.13 「Be More Chill」

2019年6月13日 19時開演 Lyceum Theatre
若い世代の間で大評判と噂の「Be More Chill」を観ました。主役のジェレミー・ヒーレーは、アンダースタディのトロイ・イワタに変わっていました。ストーリーは、オタクな高校生が怪しげな薬を飲むことでスーパーコンピュータとつながり、いけてる高校生になるが次第に精神に異常をきたし、精神病院送り寸前にオタクだったときの唯一の友達に救われるという、「ディア・イーブン・ハンソン」の二匹目のドジョウをコメディで狙ったものです。
全体にすごくよくできたプロダクションですが、「ディア・イーブン・ハンソン」のシリアスさが、高校生の必死さを現して感動的だったのに比べて、プロデュース側の狙いが露骨に見えて、その分白けるのは否めません。観る前は結構期待していたので、残念です。


2019年6月14日金曜日

Newyork2019 Vol.12「Kiss Me, Kate」

2019年6月12日 20時開演 STUDIO 54
シェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」を翻案したコール・ポーター作曲のミュージカル「Kiss Me, Kate」を観ました。とてもポピュラーな「ソー・イン・ラブ」と「トゥー・ダン・ホット」の2曲を含むミュージカルです。
正しくは「王様と私」でトニーを取った、ケリー・オハラのためのキス・ミー・ケイトというべきです。それほどまでにケリー・オハラを中心に演出されています。

しかし残念ながら、「王様と私」では、芯の強さに見えた正確差へのこだわり、神経質な表情がコメディでは邪魔になります。もうすこし、図太い方がより面白くなったと思います。
今回のハイライトは、「トゥー・ダン・ホット」の歌とダンスシーンでした。めまぐるしいほどの展開とスピード感は圧倒的でした。

Newyork2019 Vol.11

2019年6月12日
この日は少し遠出して、アッパーウェストサイドのコミュニティ・フード&ジュースにいってみました。ここは、パンケーキで有名なクリントン・ストリート・ベーキング・ファクトリーと同じ経営だそうですが、地域住民や学生に利用されている感じで、はるかに落ち着いています。


フレンチトーストを頼んでみました。厚く切ったイングリッシュトーストをさっと卵液に浸して焼いた感じで、あっさりした食感です。ソースは、レモン風味のカスタードクリームとラズベリーソース、暖めたメイプルシロップバターです。
横のベーコンは、最近厚切りのベーコンのおいしさにはまっているので、確認もせずに頼んでしまいましたが、来たのは塩辛い薄いベーコンで失敗でした。
コミュニティ・フード&ジュースに行ったのは、クロイスターズ美術館に行く途中にあったからです。
クロイスターズは、私がニューヨークで一番好きな美術館です。好きな理由は、いつ行っても人が少なく静かだというところです。中世ヨーロッパの建築物や美術品の美術館で、ユニコーンのタペストリーが有名です。
中世の美術は当然宗教美術で、その地域の住民や巡礼者などが寄進した絵や、彫刻なども数多く、その素朴さやおおらかさは、見る者に安心を与えます。
クロイスターズというのは、「回廊」という意味で、ここには3つの回廊があります。写真は、一番大きいクサの回廊です。廊下にあるベンチに座って明るい中庭を眺めていると、心が落ち着きます。
クロイスターズへの行き方は、いつも地下鉄の1ラインで適当なところまでいって(今回は、157 st.)、M4のバスに乗り換えてクロイスターズの前までというルートにしていまし
たが、今回の帰り北側の急な階段を降り、AラインのDyckman Streetに抜けるルートを試してみたところ、時間的にはこのルートが一番短くなるのではないかと思いました。ただし、初めてDyckman Streetからフォート・トライオン・パークの中を抜けるのは、標識も少ないので少々難しいかもしれません。

2019年6月12日水曜日

Newyork2019 Vol.10 Ain't Too Proud - The Life and Times of The Temptations

2019年6月11日 19時開演 IMPERIAL THEATRE
リズム&ブルースのボーカルグループ、テンプテーションズのミュージカルです。基になっているのは、オリジナルメンバーで今もテンプテーションズを率いている、オーティス・ウィリアムスの「THE TEMPTASIONS」で、劇中でもオーティス・ウィリアムス役の役者デリック・ラスキンがナレーターを務めて話を進めていきます。他のメンバーは唄うか、短い芝居をするだけ。もちろん、オーティスもそこにいるので、その環から抜けてナレーションをすることになります。
その繰り返しがリズムを生み出して、話がどんどん前に進んでいく仕組みになっています。
このミュージカルはいわゆる「ジュークボックスミュージカル」に分類されると思うのですが、単なる懐メロの垂れ流し状態にならずに、ドラマとしてもしっかりしたものを持った作品に仕上がっています。既製の曲を使ってもちゃんとしたミュージカルを作れることを「ジャージー・ボーイズ」に続いて証明したと思います。
リズム&ブルースのボーカルグループには曲ごとに決まった振付があります。それも魅力のひとつですが、このミュージカルでは、そのオリジナルの振付がブラシュアップされたり、新たな振りになっていたりして、単純にかっこよさが倍増しています。

Newyork2019 Vol.9

2019年6月11日
この日のランチは、久しぶりに美味しいパスタを食べました。近所のGnoccoというイタリアンレストランです。期待しないで入ったのがよかったのか、ゆで加減もぴったりで、塩辛すぎず、量も適度でした。
久しぶりにあたりでした。

夕食は前に行ったことがあるE 12st.のMOTORINOにしました。ピザ・マルゲリータです。直径20㎝以上ありますが、クラストが薄いのでぺろりと食べられます。












2019年6月11日火曜日

Newyork2019 Vol.8 「Hadestown」

2019年6月9日 14時開演 WALTER KERR THEATRE
シンガーソングライターのアナシス・ミッチェルの書いたアルバム「Hadestown」を元に作られたミュージカルです。ストーリーは、ギリシャ神話の「オルフェスとエウリュディケ」を現代アメリカに置き換えたもので結末も全く同じだと知っていたので、少々斜に構えて観ていたのですが、あっという間に話しに引き込まれました。主役のオルフェスを演じたリーブ・カーニーは「ミュージカル・スパイダーマン」のタイトルロールで、エウリュディケを演じたエヴァ・ノブレザダは「ミス・サイゴン」の再演で、トニー賞にノミネートされたことがあるようですが、この二人の印象はかなり薄いです。
というよりは、各シーンごとに主役が入れ替わり、それをアンディ・デ・シールド演ずるエルメスが、狂言回し的につなげていくという構成でできていて、そのバランスが実に見事です。
演出のレイチェル・チャブキンは、「ナターシャ、ピエールとグレイトコメット1812」の演出でトニー賞にノミネートされて、今回は見事、ミュージカル演出賞を取りました。エルメス役のアンディ・デ・シールドはベストミュージカル助演男優賞を取りましたし、アナシス・ミッチェルはベスト作曲賞を受賞しました。そして、作品自体もベストミュージカル作品賞に輝きました。こうしてみると、素晴らしいと思ったところがすべて受賞していることになります。昨年の「バンドビジット」の受賞の時も思いましたが、自分が観て感動した作品がトニー賞を取るのは本当に嬉しいものです。
この日は夜トニー賞授賞式の放送があり、見ていたのですが最後のベストミュージカル賞の発表に合わせて登壇してきた大勢の中に、マチネーの客出しをしながら、「トニーを取りに行くぞ!」と叫んでいたタキシード姿の男性がいたのが印象的でした。。







2019年6月8日土曜日

Newyork2019 Vol.7 「Pretty Woman: The Musical」

2019年6月7日 20時開演 Nederlander Theatre
2019年のトニー賞のノミネートにひっかからなかった「Pretty Woman: The Musical」を観ました。
この日は主役のヴィヴィアンをオリジナルのサマンサ・バークスではなく、アンダースタディのジュリアン・ミューラーが演じていました。
主演男優のアンディ・カールは二枚目だし歌もうまいのですが、前回主演した「グランドホッグディ」のような巻き込まれ型の役割ならともかく、ある程度アクティブに話を動かしていく役割には、線が細すぎると思います。
アンダースタディの主演女優と線の細い主演男優を何とかしようと、周りががんばります。ハッピーマン/ホテルマネージャー役のエリック・アンダーソンのキャラクター、圧倒的な声量のヴィヴィアンの友人役のオルフ、コメディリリーフ的なベルボーイ役のトニー・ブラッコなどが光りますが、それぞれ単発的なきらめきで、芝居を救うほどの力はありませんでした。

Newyork2019 Vol.6

2019年6月7日
今日の朝食はトンプキンパークの西側に位置するスリーシートカフェにしました。





メニューはカフェ・ラテェとラズベリーのスモールケーキです。ラズベリージャムが激甘でした。




昼食は、ユニオン・スクエアのルークス・ロブスターでロブスターロールとクラムチャウダーです。
ここはいつ食べても間違いのない味です。

Newyork2019 Vol.5 CIRQUE DU SOLEIL 「LUZIA」

2019年6月6日 20時開演 Cityfield駐車場Bigtop
時差ボケの解消を狙って、TodayTixでチケットを手配してシルク・ド・ソレイユを観にいきました。
日本にも何度も来ているのに、ニューヨークで初シルク・ド・ソレイユとなるとは思いませんでした。
実はシルク・ド・ソレイユに関しては観てもいないのに否定的な感情があって、それが原因で観にいっていなかったのですが、今回初めて見てその感覚があながち間違っていなかったと確認しました。
シルク・ド・ソレイユといえば、サーカスに幻想的でロマンチックな物語を持ち込むことで、新しいサーカス像を造り出したという認識だと思います。
今回はメキシコがテーマで、それらしいハチドリの衣装や、マリアッチのような音楽が流れてきます。でもそれらの物語は、肝腎のアクロバット芸となんの関係もありません。中身と関係ない過剰な包装紙のようです。もっとアクロバット自体が持っているドラマ性を見せるような演出が必要です。