2014年9月13日土曜日

葛河思潮社「背信」

2014年9月12日 14時開演 横浜芸術劇場大スタジオ
作:ハロルド・ピンター
翻訳:喜志哲雄
演出:長塚圭史
出演 : 松雪泰子、田中哲司、長塚圭史
なかなかスケジュールが合わないし、あっても人気のようでチケットがとれない長塚圭史演出の芝居ですが、公演が横浜ということもあり、チケットがとれたので見てきました。いってみると、平日の昼間だというのにほぼ満席、やはり、人気があるようです。
内容は私の苦手なシリアスもので、しかも演出がストイックに余計なものを極力そぎ落とし,台詞を立たせることを目指しているようで、なかなかつらい90分でした。
演出としては、余計なことを排除して全体の底上げを狙い、台詞と芝居の構造を明確にすることを目指したのだと思いますが、それが成功するためには、役者の力量が足りないと思います。台詞を聞くだけでイメージが膨らむだけの技量がないと、台詞の意味を理解しようとする努力だけで疲れてしまい、集中が続きません。
私の辛抱のなさもあると思いますが、好みとしてはストイックよりも、1点突破の全面展開を狙う方が好ましいです。
そういう意味で言うと、男の馬鹿さ加減にフォーカスを当てた「わが友ヒットラー」や、ダンスの振付のよな切れのよい一人二役を見せてくれた「醜い男」の方がよく思えてきます。

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