2015年12月22日火曜日

こふく劇場「ただいま」

2015年12月22日 14時開演 こまばアゴラ劇場
作・演出:永山智行
出演:濱砂崇浩、大浦愛、大迫紗佑里、あべゆう、かみもと千春
宮崎県の地域劇団で、前から名前だけは知っていましたが見るチャンスに恵まれず、今年の年末にやっと見ることができました。
作・演出の永山智行や出演者達についてなんの予備知識もないままに見ましたが、良い意味で「みのほどをわきまえている」ところが素敵でした。
細かいところに違いはありますが、白の長袖シャツに丈が短めの黒ズボン、足は白足袋、手には扇子代わりなのか様々な小渡具として使われる小さな木の枝、転換の移動は能のように腰を少し落としてすり足で歩く。統一された様式が,各々の役者の個性を際立たせるに役立ち、話にテンポを与えていました。
脱サラして豆腐屋を始めた男はなぜか妻に逃げられ、ニーナさんという女性と幻想の中で会話することを励みに豆腐を作り続けている。ある日、義理の妹に店の客とのお見合いを勧め、その話に触発された義理の妹の合唱団仲間の女性は,以前お見合いした男性と結婚する。結構、複雑な日常が淡々と繰り広げられていくのだが、すんなりと話の流れに乗れて、終わった後、なぜかじんわり、目に涙が浮かぶ。
素直に面白い芝居だったと言える作品でした。ただ、途中で幻想の中で戦争の体験が語られるのですが、そこへのつながり方が少々唐突で、違和感があったことが残念です。

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