2019年2月9日土曜日

かもめマシーン「しあわせな日々」

2019年2月8日 19時開演 横浜 The Cave
作:サミュエル・べケット
翻訳:長島確
演出:萩原雄太
出演:清水穂奈美、伊藤新(ダミアン)
空間デザイン:白鳥大樹
美術:横居克則、山城裕美
私が一番好きな戯曲はサミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」なんですが、他のベケットの戯曲も観てみたいと思い、見にいきました。
ビルの地下にある会場のThe Caveは、普段はバーかカフェであろう、コンクリート剥き出しの空間にバーカウンターだけが設置してあるところで、その真ん中に現代美術的な鉄の半球が設置してあり、その上に役者が腰まで埋まってうつぶせに倒れています。やがて、非常ベルが鳴り、芝居が始まり、役者が喋りだします。どんどん、喋ります。なぜ、腰まで埋まってしまうことになったのかは一切わかりません。しかし、彼女はそれを嘆くことなく、この現状は「悪くない」と繰り返し話します。時々、その地面の下に住んでいるらしいウイリーという男に話しかけます。男は時々地面から出てきて新聞の求人欄を読み上げます。ウイリーは出てきても彼女の背後に位置し、彼女からは見えません。
やがてウイリーはいなくなります。彼女はそれに気づいているのかいないのか、どんどん喋ります。
一度暗くなりまた明るくなると、彼女は首まで埋まっています。それでも彼女は喋り続け、現状を「悪くない」と言い続けます。
ラストはウイリーが手の力だけで這って入ってきて悪戦苦闘の後、彼女のほほに手を触れるところで終わりです。
役2時間、ほとんど一人で喋り続ける役者の技量と集中力はたいしたものです。
しかし下世話に考えると、定年で一日中家にいる亭主に対して一方的に喋り続ける女房と生返事しかしない亭主のようにも見えます。
喋り続ける女房に愛想を尽かして亭主は出て行きますが、紆余曲折の果て、やはり古女房のもとに帰ってくる。
そんなストーリーに見えなくもありません。

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