2016年2月25日 20時開演 三軒茶屋シアタートラム
作・演出・美術:村井雄
出演:高崎拓郎、G. K. Masayuki, 岩☆ロック、ささの翔太、竹尾一真、針金信輔、山森大輔
第4回世田谷区芸術アワード”飛翔”舞台芸術部門受賞記念公演 シアタートラム ネクスト・ジェネレーション Vol.8という長い冠がついた公演でした。
前回のシアタートラム ネクスト・ジェネレーションでスズキ拓朗を知ったので、今回も、期待して見にいきました。
ゴジゲンに続いて「ロメオとジュリエット」ものでしたが、こちらは本歌取りというか、ロメオが死なないで生き延びて、ジュリエットと一緒に銀河鉄道にのって、宇宙に旅立つというわけのわからないストーリーを全身白タイツの男たちが演じるというものでした。
いくつものコントのようなシーンの連なりで構成されていて、コントの中には多少面白いものもあるのですが中途半端だし、役者の個人技を楽しむには演出の規制が効きすぎていて爆発しないし、中途半端に始まり、そのまま終わりました。
2016年2月26日金曜日
2016年2月20日土曜日
ゴジゲン「劇をしている」
2016年2月19日 19時開演 下北沢OFFOFFシアター
作・演出:松居大悟
出演:松居大悟、目次立樹、東迎昴史郎、奥村徹也、堀善雄、本折最強さとし
作・演出の松居大悟は、テレビだか映画だか知りませんが映像の監督もしている人のようで、その業界の人に、「今度、久しぶりに芝居をやるので,見に来てください。」と言ったところ、「なぜ、そんな儲からないばかりか持ち出しになることをするの?」といわれたところから悩むというような話です。
ストーリーとしては、高校の演劇部がロメオとジュリエットを上演しようとするドタバタを縦軸に、出演者が各自、「なぜ、芝居をするのか?」を自問するのが横軸に、進んでいきます。
結論からいうと、「そんな悩みは勝手に裏で悩んで、観客にはもう少し別に見せるものがあるだろう。」ということです。
作・演出:松居大悟
出演:松居大悟、目次立樹、東迎昴史郎、奥村徹也、堀善雄、本折最強さとし
作・演出の松居大悟は、テレビだか映画だか知りませんが映像の監督もしている人のようで、その業界の人に、「今度、久しぶりに芝居をやるので,見に来てください。」と言ったところ、「なぜ、そんな儲からないばかりか持ち出しになることをするの?」といわれたところから悩むというような話です。
ストーリーとしては、高校の演劇部がロメオとジュリエットを上演しようとするドタバタを縦軸に、出演者が各自、「なぜ、芝居をするのか?」を自問するのが横軸に、進んでいきます。
結論からいうと、「そんな悩みは勝手に裏で悩んで、観客にはもう少し別に見せるものがあるだろう。」ということです。
2016年2月18日木曜日
浮世企画「ザ・ドリンカー」
2016年2月17日 19時30分開演 下北沢駅前劇場
作・演出:今城文恵
出演:伊達暁、村上航、永山智啓、鈴木歩己、辻貴大、松本D輔、今城文恵、四浦麻希、西岡未央、平野鈴、猪俣三四郎
この芝居を見てから、もう3ヶ月以上経ちました。正直、「そこそこ面白かった。」という印象くらいしか残っていません。
実はこの芝居を見る直前に、ネット上で「今や小劇場というのは,ひとつのジャンルとなってしまった。皆そのジャンルの中で、温々、活動しているに過ぎない。」という書き込みを読んで、観劇熱が一気に冷めてしまいました。
元々、「新しい表現を見たい。新しい表現とは、何をやっているか理解はできないが、それでも面白いものだ。」という考えで芝居を見だしたのに、ネット上の書き込みが正しいとすれば、小劇場に新しい表現は、もはやないことになります。そして、ここ数年の観劇経験からいっても、残念ながら正しそうなのです。
これ以降、劇場に向かう時のワクワク感は確実に減少しました。面白い芝居には、出会えるかもしれないが、新しい芝居には、出会える確率は極めて低い。
もし、新しい表現がどこかで行われていても、私の視界には残念ながら入っていない。視界を一気に広げる方策も思いつかないので、とりあえず芝居でも見るかという感じです。
作・演出:今城文恵
出演:伊達暁、村上航、永山智啓、鈴木歩己、辻貴大、松本D輔、今城文恵、四浦麻希、西岡未央、平野鈴、猪俣三四郎
この芝居を見てから、もう3ヶ月以上経ちました。正直、「そこそこ面白かった。」という印象くらいしか残っていません。
実はこの芝居を見る直前に、ネット上で「今や小劇場というのは,ひとつのジャンルとなってしまった。皆そのジャンルの中で、温々、活動しているに過ぎない。」という書き込みを読んで、観劇熱が一気に冷めてしまいました。
元々、「新しい表現を見たい。新しい表現とは、何をやっているか理解はできないが、それでも面白いものだ。」という考えで芝居を見だしたのに、ネット上の書き込みが正しいとすれば、小劇場に新しい表現は、もはやないことになります。そして、ここ数年の観劇経験からいっても、残念ながら正しそうなのです。
これ以降、劇場に向かう時のワクワク感は確実に減少しました。面白い芝居には、出会えるかもしれないが、新しい芝居には、出会える確率は極めて低い。
もし、新しい表現がどこかで行われていても、私の視界には残念ながら入っていない。視界を一気に広げる方策も思いつかないので、とりあえず芝居でも見るかという感じです。
2016年1月30日土曜日
梅棒「OMG」
2016年1月28日 19時30分開演 吉祥寺シアター
作・総合演出:伊藤今人
出演:鶴野輝一、楢木和也、天野一輝、たかりん、Sun!!、遠山晶司、飯野高拓、五十嵐結也、櫻井竜彦、田中英恵、IYO-P、池田遼、ザンヨウコ、小坂奈央美、早瀬さくら、工藤広夢、ひこひこ
豪華二本立ての二本目、初期の作品の初の再演もののようでした。「OMG」は、「Oh My God」の略だと思うのですが、例によって意味はありません。
最初、バスケのスポーツ学園物で始まるのですが、途中からギャングとC.I.Aのアクションバトルになるという謎の展開でした。ラストに梅棒らしい荒唐無稽差が少し現れるのですが、それも不発に近く、何となく終わってしまいます。何よりも、登場人物達が物語の中に安住していて、ストーリーの殻を破って「踊ることが何より好き。」と、飛び出してこないことが面白くなかった一番の原因です。まるで、ダンスでストーリーを説明している下手くそなミュージカルのようでした。
作・総合演出:伊藤今人
出演:鶴野輝一、楢木和也、天野一輝、たかりん、Sun!!、遠山晶司、飯野高拓、五十嵐結也、櫻井竜彦、田中英恵、IYO-P、池田遼、ザンヨウコ、小坂奈央美、早瀬さくら、工藤広夢、ひこひこ
豪華二本立ての二本目、初期の作品の初の再演もののようでした。「OMG」は、「Oh My God」の略だと思うのですが、例によって意味はありません。
最初、バスケのスポーツ学園物で始まるのですが、途中からギャングとC.I.Aのアクションバトルになるという謎の展開でした。ラストに梅棒らしい荒唐無稽差が少し現れるのですが、それも不発に近く、何となく終わってしまいます。何よりも、登場人物達が物語の中に安住していて、ストーリーの殻を破って「踊ることが何より好き。」と、飛び出してこないことが面白くなかった一番の原因です。まるで、ダンスでストーリーを説明している下手くそなミュージカルのようでした。
梅棒「風桶」
2016年1月28日 15時開演 吉祥寺シアター
作・総合演出:伊藤今人
出演:遠藤誠、正安寺悠造、西野正崇、塩野拓矢、梅沢裕介、野田裕貴、菊池祐太、照沼大樹、原田康正、Na☆、中林舞、七味まゆ味、稲葉麻由子、土倉有貴、YOU、楢木和也、KENZO MASUDA、伊藤今人
多くの外部からの出演者を招いての豪華二本立ての一本目、「風桶」は多分、「風が吹けば、桶屋が儲かる」を略したものですが、意味はありません。
ストーリーは、人気絶頂のロックバンドが江戸時代にタイムスリップして、勧善懲悪の大活躍をするというものですが、たいした意味はありません。
今回は初の髷ものと言うこともあり、見ていてその昔学生のころ照明のバイトをしていたニューハーフショーを思い出しました。ニューハーフの人たちは、自分がより美しくより目立つように、衣装を選び、踊り、唄います。それと同じように、梅棒は、「俺たちは踊りたいんだ。踊ることが何より好きだ。」というために、舞台に立っていることが十二分にわかります。そのためのストーリーであり、衣装であり、装置なのです。
本来ダンスは、「言葉で言えないことを表現するために踊る。」ものだと思うのですが、それだと、普段芝居を見ている私などは、そのストイックさに負けてフラストレーションだけが溜まりがちですが、梅棒は「ダンスが好きだ。」としか言っていないので、それなら私でもわかるし、共感、感動できるのです。逆に
ダンス好きの人にとって、梅棒がどう写っているか知りたいところです。
客演で、柿食う客の七味まゆ味が出ていたのですが、そこそこ踊れていて、失礼ながらびっくりしました。ただ、横で踊っているのが振付もできる中林舞なので、少々、見劣りしましたが、顔の大きさと不気味さでは勝っていました。
俳優座の「クロスジンジャーハリケーン」の時に、伊藤今人の足の短さが印象的だったのですが、今回、和服を着るとぴったり。出演者の中で、一番似合っていました。
作・総合演出:伊藤今人
出演:遠藤誠、正安寺悠造、西野正崇、塩野拓矢、梅沢裕介、野田裕貴、菊池祐太、照沼大樹、原田康正、Na☆、中林舞、七味まゆ味、稲葉麻由子、土倉有貴、YOU、楢木和也、KENZO MASUDA、伊藤今人

ストーリーは、人気絶頂のロックバンドが江戸時代にタイムスリップして、勧善懲悪の大活躍をするというものですが、たいした意味はありません。
今回は初の髷ものと言うこともあり、見ていてその昔学生のころ照明のバイトをしていたニューハーフショーを思い出しました。ニューハーフの人たちは、自分がより美しくより目立つように、衣装を選び、踊り、唄います。それと同じように、梅棒は、「俺たちは踊りたいんだ。踊ることが何より好きだ。」というために、舞台に立っていることが十二分にわかります。そのためのストーリーであり、衣装であり、装置なのです。
本来ダンスは、「言葉で言えないことを表現するために踊る。」ものだと思うのですが、それだと、普段芝居を見ている私などは、そのストイックさに負けてフラストレーションだけが溜まりがちですが、梅棒は「ダンスが好きだ。」としか言っていないので、それなら私でもわかるし、共感、感動できるのです。逆に
ダンス好きの人にとって、梅棒がどう写っているか知りたいところです。
客演で、柿食う客の七味まゆ味が出ていたのですが、そこそこ踊れていて、失礼ながらびっくりしました。ただ、横で踊っているのが振付もできる中林舞なので、少々、見劣りしましたが、顔の大きさと不気味さでは勝っていました。
俳優座の「クロスジンジャーハリケーン」の時に、伊藤今人の足の短さが印象的だったのですが、今回、和服を着るとぴったり。出演者の中で、一番似合っていました。
ハイバイ「夫婦」
2016年1月27日 19時開演 東京芸術劇場シアターイースト
作・演出:岩井秀人
出演:山内圭哉、猪俣俊明、菅原永二、田村連太郎、鄭亜美、平原テツ、川面千晶、高橋周平、岩井秀人
今や人気劇団となって、1ヶ月近いロングラン公演でもなかなかチケットのとれないハイバイを見てきました。
芝居は、山内圭哉と猪俣俊明という二人の芝居巧者が夫婦役で、なんの破綻もなく進んでい
くのですが、芝居の出来不出来と関係なく、私には受け付けないところがありました。岩井秀人の戯曲には、「ヒッキー・カンクーントルネード」、「手」、そしてこの「夫婦」という自分もしくは自分の親族を描いた私小説の演劇版、「私演劇」とでもいうべき流れと、取材などをして書かれたであろう「霊感少女ヒドミ」、「ある女」、「おとこたち」という2つの流れがあるのですが、その私演劇のほうが私は苦手なようなのです。理屈では、私演劇であろうとも登場人物は岩井秀人の創作物であるということはわかっているのですが、実際見るとやはりいけません。あの人達がどこかで生きているのだと思えて、見ていて落ち着きません。どうしても、芝居に集中できないのです。
作・演出:岩井秀人
出演:山内圭哉、猪俣俊明、菅原永二、田村連太郎、鄭亜美、平原テツ、川面千晶、高橋周平、岩井秀人

芝居は、山内圭哉と猪俣俊明という二人の芝居巧者が夫婦役で、なんの破綻もなく進んでい
くのですが、芝居の出来不出来と関係なく、私には受け付けないところがありました。岩井秀人の戯曲には、「ヒッキー・カンクーントルネード」、「手」、そしてこの「夫婦」という自分もしくは自分の親族を描いた私小説の演劇版、「私演劇」とでもいうべき流れと、取材などをして書かれたであろう「霊感少女ヒドミ」、「ある女」、「おとこたち」という2つの流れがあるのですが、その私演劇のほうが私は苦手なようなのです。理屈では、私演劇であろうとも登場人物は岩井秀人の創作物であるということはわかっているのですが、実際見るとやはりいけません。あの人達がどこかで生きているのだと思えて、見ていて落ち着きません。どうしても、芝居に集中できないのです。
田上パル「合唱曲第58番」
2016年1月25日 19時30分開演 こまばアゴラ劇場
作・演出:田上パル
出演:安村典久、飛知和寿輝、日高啓介、高橋義和、飯田一期、野田慈伸、緒方和也、長野海、江花明里、能島瑞穂、伊藤昌子、福田健二
スケジュールがなかなか合わず見に行けない劇団だった田上パルを、やっと見に行けました。スケジュールが合わず見られない劇団は、いざ見てみると残念なことが多く、田上パルもそんなに期待しないで見に行ったのですが、これが失礼ながら面白くてびっくりしました。
多分作者の実体験を元に作られているであろう、九州の片田舎の小学校から中学卒業までを、様々なエピソードをつないで描かれていきます。小学校の時、教師の失言から引きこもりになった一人の生徒を中学の卒業記念公演に無理矢理引きずり出して、ハチャメチャな鶴の恩返しを上演してしまうところをクライマックスに、明るくさわやかに進んでいくところに、素直に好感が持てました。
「月光のつつしみ」で、シリアスな芝居が素晴らしかった能島瑞穂が、さらりとコメディタッチの芝居をしていて面白かったです。特に、2回ほどシーンラストのオチで、映画の名台詞をつぶやくところが、全くオチになっていなくて、それがかえって微妙なおおかしみになるところが素晴らしいです
。
作・演出:田上パル
出演:安村典久、飛知和寿輝、日高啓介、高橋義和、飯田一期、野田慈伸、緒方和也、長野海、江花明里、能島瑞穂、伊藤昌子、福田健二

多分作者の実体験を元に作られているであろう、九州の片田舎の小学校から中学卒業までを、様々なエピソードをつないで描かれていきます。小学校の時、教師の失言から引きこもりになった一人の生徒を中学の卒業記念公演に無理矢理引きずり出して、ハチャメチャな鶴の恩返しを上演してしまうところをクライマックスに、明るくさわやかに進んでいくところに、素直に好感が持てました。
「月光のつつしみ」で、シリアスな芝居が素晴らしかった能島瑞穂が、さらりとコメディタッチの芝居をしていて面白かったです。特に、2回ほどシーンラストのオチで、映画の名台詞をつぶやくところが、全くオチになっていなくて、それがかえって微妙なおおかしみになるところが素晴らしいです
。
テアトロコント Vol.4
2016年1月22日 19時30分開演 渋谷ユーロライブ
出演:さらば青春の光、ナカゴー、東葛スポーツ、チョップリン
東葛スポーツが出演するというので、見にいきました。生でコントを見るのは、生まれて初めての体験でしたが、いかにテレビで見るコントが笑えるように整備されているのかということを痛感しました。芝居の中の笑いは、ある程度時間をかけて芝居の流れの中で笑わせられるので、周囲と関係なく面白ければ笑えるのですが、コントの場合時間が短いので、雰囲気ができておらず、少しの面白さだと周囲に気兼ねして笑わないことが良くありました。テレビだと、少しでも面白いと笑い声をかぶせてあるので、安心して笑えるのですが、ライブではそれは難しいです。逆に言えば、短い時間で笑わせる難しさに気がつきました。
さらば青春の光は、キングオブコントの上位常連ということですが、下ネタを連発する勇気はよしとしても、あれがいつものできならキングオブコントもたいしたことないと思えるできでした。ナカゴーは、いつも通り、短い分、さらにどこが面白いか全くわかりませんでした。東葛スポーツは、1月末の公演の抜粋だと思われるものでしたが、あれではいいも悪いもわかりません。チョップリンは、最初のコンビニのネタがわかりやすくてこの日、一番面白かったです。
チラシのあおりに、「コントは,既存のフォーマットを破壊する短い演劇であり、未来の演劇の実験場である。」と書いてありましたが、この日を見る限り、「既存のフォーマットを破壊できるかもしれない。その可能性は、否定できない。」くらいが、正しい現状認識だと思います。
出演:さらば青春の光、ナカゴー、東葛スポーツ、チョップリン

さらば青春の光は、キングオブコントの上位常連ということですが、下ネタを連発する勇気はよしとしても、あれがいつものできならキングオブコントもたいしたことないと思えるできでした。ナカゴーは、いつも通り、短い分、さらにどこが面白いか全くわかりませんでした。東葛スポーツは、1月末の公演の抜粋だと思われるものでしたが、あれではいいも悪いもわかりません。チョップリンは、最初のコンビニのネタがわかりやすくてこの日、一番面白かったです。
チラシのあおりに、「コントは,既存のフォーマットを破壊する短い演劇であり、未来の演劇の実験場である。」と書いてありましたが、この日を見る限り、「既存のフォーマットを破壊できるかもしれない。その可能性は、否定できない。」くらいが、正しい現状認識だと思います。
清水宏「海外コメディ・チャレンジセレクション」
2016年1月19日 19時30分開演 下北沢シアター711
作・演出・出演:清水宏
昨年秋にやった海外コメディ奮闘記の再演のようなシリーズです。日によって演目が違い私が見に行けた日は、「今治タオル編」でした。
要するに、スポンサー探しの話なのですが、これがい
けません。これまでの海外フェスティバルの話は、完全にドンキホーテな話で彼の情熱ややる気がいかに空回りしたのかという、元々笑い話の要素が多いストーリーなのですが、スポンサー探しはどうやっても、
「お金をもらいに行く」という生臭い話なので、清水宏の熱量をもってしても生臭さが消えません。最終的に今治の池内タオルというスポンサーを獲得するのですが、そのスポンサーに対する配慮もあるのか、いまいち及び腰な感じもします。
そんなこんなで話は盛り上がらず、ラストのファンタジーも不発で爽快感のない話でした。
作・演出・出演:清水宏

要するに、スポンサー探しの話なのですが、これがい
けません。これまでの海外フェスティバルの話は、完全にドンキホーテな話で彼の情熱ややる気がいかに空回りしたのかという、元々笑い話の要素が多いストーリーなのですが、スポンサー探しはどうやっても、
「お金をもらいに行く」という生臭い話なので、清水宏の熱量をもってしても生臭さが消えません。最終的に今治の池内タオルというスポンサーを獲得するのですが、そのスポンサーに対する配慮もあるのか、いまいち及び腰な感じもします。
そんなこんなで話は盛り上がらず、ラストのファンタジーも不発で爽快感のない話でした。
wits「マクベス The tragedy of Mr. and Mrs. Macbeth」
2016年1月16日 19時30分開演 シアターカイ
Twitterのつぶやきで知り、慌ててチケットを予約して見にいきました。KAATの「ピノキオ」で好演していた池田有希子が、二人芝居でマクベスをどう演じるのかという興味だけでしたが、結果、今まで一番面白いシェイクスピアでした。
原作:ウィリアム・シェイクスピア
上演台本:wits(松岡和子訳による)
演出:西悟志
出演:チョウソンハ、池田有希子、佐藤友

簡単にいうと、漫才の形を借りた芝居で、地の文や役柄の説明を漫才でして、そこから体を一回転することや、お互いの立ち位置を入れ替えることで役に入っていき、演じていくというやり方で、ダイジェストにも関わらず、それを感じさせずにマクベスをやりきって、見事の一言でした。
何しろ、あの形容詞の連続のシェイクスピアの台詞が、なんの抵抗もなく聞こえてくるのですから、たいしたものです。
演出の西悟志は、昔、小鳥クロックワークスというかわいらしい名前の劇団をやっていて、今回は10年ぶりの演出だそうです。何か、私が見たいと思っていていつもスケジュールが合わないHula-Hoopersと関係が深いようで、益々、Hula-Hoopersに興味がわいてきました。
シンクロ少女「ファニー・ピープル」
2016年1月15日 14時30分開演 下北沢ザ・スズナリ
作・演出:名嘉友美
出演:泉政宏、満間昂平、用松亮、中田麦平、浅野千鶴、名嘉友美、小野寺ずる、しまおみほ、田中のり子
シンクロ少女の公演は今まで3回ほど見にいきました。テーマが一貫していて、「人はそれぞれ心に闇の部分を抱えていて、それでもより幸せになろうとしている。」と唱えていて、それはそれで1つも反対するところはないのですが、随所に挟み込まれる「笑い」の部分や、突如として始まる歌と踊りがうまくこなれていなくて、ぎくしゃくするのが気になって、あまり積極的に見にいく気になれない劇団でした。今回見にいったのは、1年ぶりの公演でどう変わったのか知りたかったのと、浅野千鶴が出演すると知ったからでした。
1年ぶりの公演も、芝居自体はあまり変化はなく、一貫したテーマの追求は偉いとも言えますが、代わり映えのしない芝居にもみえてしまいます。
高校時代、ずっとつるんでいた男と二卵性双生児の兄と妹。男は、高校教師の女性と不倫関係になってしまい、町にいられなくなって駈け落ちしようとしたところを旦那に見つかり、女性は殺されてしまいます。男はそのまま行方をくらませます。双子は、お互い恋愛感情を抱きますが、決定的な関係になる前に妹の方が家出します。それから15年経ち、男が町に帰ってきます。兄にとっては、止まっていた時間がまた動き出します。昔と同じように男とつるみ、遊び出す兄でした。兄は、時々マリファナを浮かしながら時間をやり過ごし、前に進むことを拒否していたのでした。
しかし、時間は待ってくれません。幼なじみの警官にマリファナ所持で逮捕された兄は、そのまま、家出します。今度は、それをじっと待つ男。やがて戻ってきた兄は、河原で男と再会します。妹なしでは前に進みたくない兄と、何とか前に進もうとあがく男、二人はもみ合い、川に落ちてしまいます。何とか這い上がってきた二人は、とりあえず目先のことをともに考えることで休戦します。
そこに、突然現れる妹、まるで許しを与える女神のようです。
というのが、粗筋なのですが、その女神のような妹が浅野千鶴で、声質もあるのでしょうが
一人クールで、他の役者の淡々としているようで実はしめった演技とは、一線を画していました。
作・演出:名嘉友美
出演:泉政宏、満間昂平、用松亮、中田麦平、浅野千鶴、名嘉友美、小野寺ずる、しまおみほ、田中のり子

1年ぶりの公演も、芝居自体はあまり変化はなく、一貫したテーマの追求は偉いとも言えますが、代わり映えのしない芝居にもみえてしまいます。
高校時代、ずっとつるんでいた男と二卵性双生児の兄と妹。男は、高校教師の女性と不倫関係になってしまい、町にいられなくなって駈け落ちしようとしたところを旦那に見つかり、女性は殺されてしまいます。男はそのまま行方をくらませます。双子は、お互い恋愛感情を抱きますが、決定的な関係になる前に妹の方が家出します。それから15年経ち、男が町に帰ってきます。兄にとっては、止まっていた時間がまた動き出します。昔と同じように男とつるみ、遊び出す兄でした。兄は、時々マリファナを浮かしながら時間をやり過ごし、前に進むことを拒否していたのでした。
しかし、時間は待ってくれません。幼なじみの警官にマリファナ所持で逮捕された兄は、そのまま、家出します。今度は、それをじっと待つ男。やがて戻ってきた兄は、河原で男と再会します。妹なしでは前に進みたくない兄と、何とか前に進もうとあがく男、二人はもみ合い、川に落ちてしまいます。何とか這い上がってきた二人は、とりあえず目先のことをともに考えることで休戦します。
そこに、突然現れる妹、まるで許しを与える女神のようです。
というのが、粗筋なのですが、その女神のような妹が浅野千鶴で、声質もあるのでしょうが
一人クールで、他の役者の淡々としているようで実はしめった演技とは、一線を画していました。
ロロ いつ高シリーズ Vol.2「校舎、ナイトクルージング」
2016年1月14日 19時30分開演 横浜STスポット
作・演出:三浦直之
出演:亀島一徳、島田桃子、望月綾乃、大石将弘、北村恵
2016年最初の観劇は,ロロでした。昨年から始まった高校演劇大会ルールに乗っとった「いつ高シリーズ」の第二弾ということで、やはり約1時間の上演でした。
前作はやや、尻切れトンボに終わった感があったのですが、今回は同じ1時間でも山あり谷ありの充実した1時間でした。
お話しは、窓際に写っていた幽霊を探しに夜の教室に忍び込んだ三人の高校生が、ラジオネーム逆乙女と称する、昼間学校に来ないで夜忍び込み、前日に仕掛けたヴォイスレコーダーを聞いて昼休みの感覚を味わう引きこもりや、その引きこもりと仲良しで、幽霊らしくないことに悩んでいる幽霊に出逢うというストーリーです。いつもながらのしらけないぎりぎりのナイーブさが溢れ、「実在するファンタジー」としても高校生活が描かれ、とてもおもしろかったです。
それにしても、島田桃子は木ノ下歌舞伎の「心中天の網島」の時は、花魁の役なのに単なるバカな小娘にしかみえないし、今回も女子高校生のはずなのにおばさんのコスプレにしかみえませんでした。役柄と存在がいつもかなりずれているのはネライなのでしょうか?
劇中、大石将弘が映画「GO」の窪塚洋介の物真似をするのですが、その映画を見ていない私でも、あの一本調子な台詞のしゃべり方は窪塚洋介に違いないと思わせる不思議な説得力を持った物真似でした。
第三弾の予定もあるようなので、とても楽しみです。
作・演出:三浦直之
出演:亀島一徳、島田桃子、望月綾乃、大石将弘、北村恵
2016年最初の観劇は,ロロでした。昨年から始まった高校演劇大会ルールに乗っとった「いつ高シリーズ」の第二弾ということで、やはり約1時間の上演でした。
前作はやや、尻切れトンボに終わった感があったのですが、今回は同じ1時間でも山あり谷ありの充実した1時間でした。
お話しは、窓際に写っていた幽霊を探しに夜の教室に忍び込んだ三人の高校生が、ラジオネーム逆乙女と称する、昼間学校に来ないで夜忍び込み、前日に仕掛けたヴォイスレコーダーを聞いて昼休みの感覚を味わう引きこもりや、その引きこもりと仲良しで、幽霊らしくないことに悩んでいる幽霊に出逢うというストーリーです。いつもながらのしらけないぎりぎりのナイーブさが溢れ、「実在するファンタジー」としても高校生活が描かれ、とてもおもしろかったです。
それにしても、島田桃子は木ノ下歌舞伎の「心中天の網島」の時は、花魁の役なのに単なるバカな小娘にしかみえないし、今回も女子高校生のはずなのにおばさんのコスプレにしかみえませんでした。役柄と存在がいつもかなりずれているのはネライなのでしょうか?
劇中、大石将弘が映画「GO」の窪塚洋介の物真似をするのですが、その映画を見ていない私でも、あの一本調子な台詞のしゃべり方は窪塚洋介に違いないと思わせる不思議な説得力を持った物真似でした。
第三弾の予定もあるようなので、とても楽しみです。
2015年12月28日月曜日
高校演劇サミット2015 都立六本木高校「墓場、女子高生」都立東高校「走れダメロス」
2015年12月28日 都立六本木高校「墓場、女子高生」14時開演 都立東高校「走れダメロス」15時30分開演 こまばアゴラ劇場
ベッド&メイキングスがやって面白かった「墓場、女子高生」を、現役の女子高生が演じるとどうなるのかという興味で見にいきました。高校演劇大会のルールで行われるため、上演時間は1時間以内という制限があるのですが、面白い戯曲は、半分以下に潤色しても面白いということを実感しました。
何より面白かったのは、制服の着こなしや,立ち振る舞いから「現実の女子高生は,そんなにきれいなものではない」と、無自覚でしょうが、主張しているように感じられる場面が見られたことでした。誰も意図したことではないと思いますが、私にはそこが一番面白かったです。
もう一本の都立東高校「走れダメロス」は、前半は謎のおばあちゃん軍団が走り回り、コンビニでうまい棒を強奪したり、桃色クローバーZ風に唄ったり踊ったりしているうちは楽しかったのですが、後半、セーラー服になって、「私たちが反対の声を上げなかったから、孫が遠くの土地に送られてしまうようになったのか!」と言い出すともう行けません。
今年の安保法案の成立やSEALSの活動の影響から出てきた主張でしょうが、どのような主張も演劇的に成立しなければ、イタイ主張に過ぎないということが未だに理解でいていないのは残念です。高校演劇らしいといえば高校演劇らしいのかのしれませんが、高校演劇の1つの大きな壁を見たように思います。

何より面白かったのは、制服の着こなしや,立ち振る舞いから「現実の女子高生は,そんなにきれいなものではない」と、無自覚でしょうが、主張しているように感じられる場面が見られたことでした。誰も意図したことではないと思いますが、私にはそこが一番面白かったです。
もう一本の都立東高校「走れダメロス」は、前半は謎のおばあちゃん軍団が走り回り、コンビニでうまい棒を強奪したり、桃色クローバーZ風に唄ったり踊ったりしているうちは楽しかったのですが、後半、セーラー服になって、「私たちが反対の声を上げなかったから、孫が遠くの土地に送られてしまうようになったのか!」と言い出すともう行けません。
今年の安保法案の成立やSEALSの活動の影響から出てきた主張でしょうが、どのような主張も演劇的に成立しなければ、イタイ主張に過ぎないということが未だに理解でいていないのは残念です。高校演劇らしいといえば高校演劇らしいのかのしれませんが、高校演劇の1つの大きな壁を見たように思います。
2015年12月22日火曜日
こふく劇場「ただいま」
2015年12月22日 14時開演 こまばアゴラ劇場
作・演出:永山智行
出演:濱砂崇浩、大浦愛、大迫紗佑里、あべゆう、かみもと千春
宮崎県の地域劇団で、前から名前だけは知っていましたが見るチャンスに恵まれず、今年の年末にやっと見ることができました。
作・演出の永山智行や出演者達についてなんの予備知識もないままに見ましたが、良い意味で「みのほどをわきまえている」ところが素敵でした。
細かいところに違いはありますが、白の長袖シャツに丈が短めの黒ズボン、足は白足袋、手には扇子代わりなのか様々な小渡具として使われる小さな木の枝、転換の移動は能のように腰を少し落としてすり足で歩く。統一された様式が,各々の役者の個性を際立たせるに役立ち、話にテンポを与えていました。
脱サラして豆腐屋を始めた男はなぜか妻に逃げられ、ニーナさんという女性と幻想の中で会話することを励みに豆腐を作り続けている。ある日、義理の妹に店の客とのお見合いを勧め、その話に触発された義理の妹の合唱団仲間の女性は,以前お見合いした男性と結婚する。結構、複雑な日常が淡々と繰り広げられていくのだが、すんなりと話の流れに乗れて、終わった後、なぜかじんわり、目に涙が浮かぶ。
素直に面白い芝居だったと言える作品でした。ただ、途中で幻想の中で戦争の体験が語られるのですが、そこへのつながり方が少々唐突で、違和感があったことが残念です。
作・演出:永山智行
出演:濱砂崇浩、大浦愛、大迫紗佑里、あべゆう、かみもと千春

作・演出の永山智行や出演者達についてなんの予備知識もないままに見ましたが、良い意味で「みのほどをわきまえている」ところが素敵でした。
細かいところに違いはありますが、白の長袖シャツに丈が短めの黒ズボン、足は白足袋、手には扇子代わりなのか様々な小渡具として使われる小さな木の枝、転換の移動は能のように腰を少し落としてすり足で歩く。統一された様式が,各々の役者の個性を際立たせるに役立ち、話にテンポを与えていました。
脱サラして豆腐屋を始めた男はなぜか妻に逃げられ、ニーナさんという女性と幻想の中で会話することを励みに豆腐を作り続けている。ある日、義理の妹に店の客とのお見合いを勧め、その話に触発された義理の妹の合唱団仲間の女性は,以前お見合いした男性と結婚する。結構、複雑な日常が淡々と繰り広げられていくのだが、すんなりと話の流れに乗れて、終わった後、なぜかじんわり、目に涙が浮かぶ。
素直に面白い芝居だったと言える作品でした。ただ、途中で幻想の中で戦争の体験が語られるのですが、そこへのつながり方が少々唐突で、違和感があったことが残念です。
2015年12月21日月曜日
文学座アトリエの会「白鯨」
2015年12月21日 14時開演 信濃町文学座アトリエ
原作:ハーマン・メルヴィル
作:セバスチャン・アーメスト
訳:小田島恒志
演出:高橋正徳
出演:小林勝也、中村彰男、沢田冬樹、櫻井章喜、石橋徹郎、川辺邦弘、上川路啓志、藤側宏大、采澤靖起、鈴木亜希子
英語で書かれた悲劇ベストスリーの1つ、「白鯨」の舞台化ということで見にいきました。
時々、意欲的な作品を上演する文学座アトリエの会と言うこともあり、結構期待して見にいったのですが、今回は残念ながらはずれの会でした。
イスや板きれ、ロープや布などを役者が自ら迂遠介しながらストーリーを進めていくという演出は、それ自体葉好感の持てるものでしたが、翻訳調の固い台詞やそれが身についていない言い回しに,違和感をぬぐえませんでした。ラストで、これが白鯨の悲劇を伝える旅回りの一座による芝居であることが明かされるのですが、だからといって,納得できるものでもありませんでした。
原作:ハーマン・メルヴィル
作:セバスチャン・アーメスト
訳:小田島恒志
演出:高橋正徳
出演:小林勝也、中村彰男、沢田冬樹、櫻井章喜、石橋徹郎、川辺邦弘、上川路啓志、藤側宏大、采澤靖起、鈴木亜希子

時々、意欲的な作品を上演する文学座アトリエの会と言うこともあり、結構期待して見にいったのですが、今回は残念ながらはずれの会でした。
イスや板きれ、ロープや布などを役者が自ら迂遠介しながらストーリーを進めていくという演出は、それ自体葉好感の持てるものでしたが、翻訳調の固い台詞やそれが身についていない言い回しに,違和感をぬぐえませんでした。ラストで、これが白鯨の悲劇を伝える旅回りの一座による芝居であることが明かされるのですが、だからといって,納得できるものでもありませんでした。
2015年12月10日木曜日
海のサーカス×スーパーエキセントリックシアター「杏仁豆腐のココロ」
2015年12月10日 18時30分開演 下北沢ザ・スズナリ
作・演出:鄭義信
出演:佳梯かこ、久ヶ沢徹
役者については何も知らないまま、鄭義信の作・演出ということで見にいきました。後で調べてみると、佳梯かこは北村想のプロジェクトナビの女優さんで、この芝居は10年以上前に佳梯かこが鄭義信に書き下ろしてもらったものでした。
クリスマスイブの夜、もう離婚届も出して別れて暮らすための荷造りもほとんど終わった茶の間で,男と女が話している。女はづぼらで家のことはほとんどしない。でも、弁当屋のパートで男を養っている。男はずっと無職でいわゆるヒモだが、家事はまめにする、主夫である。話していくうちにお互いに大事なことを言えていないことに気づき、それがもとで別れることになったのを知る。ほろ苦く、悲しい後を引くストーリーでした。
若いころの佳梯かこは知らないけれど、今でも十分魅力的な女優です。
どこかで舞台にでることがあれば、見にいきたいです。
作・演出:鄭義信
出演:佳梯かこ、久ヶ沢徹

クリスマスイブの夜、もう離婚届も出して別れて暮らすための荷造りもほとんど終わった茶の間で,男と女が話している。女はづぼらで家のことはほとんどしない。でも、弁当屋のパートで男を養っている。男はずっと無職でいわゆるヒモだが、家事はまめにする、主夫である。話していくうちにお互いに大事なことを言えていないことに気づき、それがもとで別れることになったのを知る。ほろ苦く、悲しい後を引くストーリーでした。
若いころの佳梯かこは知らないけれど、今でも十分魅力的な女優です。
どこかで舞台にでることがあれば、見にいきたいです。
ほりぶん「得て」
2015年12月10日 15時開演 ムーブ町屋4F ハイビジョンルーム
作・演出:鎌田順也
出演:墨井鯨子、上田遥、木乃江祐希、川上友里
気になる女優の一人である上田遥が出演するので、作・演出が苦手な鎌田順也なので迷いましたが見にいくことにしました。
ちなみに鎌田順也が苦手な理由は、ぐちゃぐちゃしたストーリーの果てに宇宙人や怪獣が暴れ回って話が終わるという展開があまりに多いことと、役者の演技にあまり興味がないようにみえるところです。
上田遥は、ハイバイの「霊感少女、ヒドミちゃん」の主人公と「ある女」のとなりの部屋の娘の役をやっているのしか見たことがありませんでしたが、妙にハスキーな声で喋る不思議ちゃん系のキャラクターで興味を持ちました。
しかし、上田の今回の役柄は割としっかり系のお姉さん的なもので、そうなると声も少しキンキンしているような気もするし、単なる背の低いおばさんにしか見えず、少々残念でした。
物語は、バイト仲間で行った旅行先で亡くなった川上の1周忌に旅行前に撮ったビデオレター持って同じチェーン店のバイトが訪ねてきて,そのビデオレターを見たところ、亡くなった川上が現実に現れたり、生きままあの世に行ってしまったり、大変な目に遭うというものですが、そのテレビに移った川上友里の顔芸が実に面白い。泣き、喚き、怒り、笑う。その顔のアップが大型テレビ画面いっぱいに映し出されて、滅多に見らレないものを見たという感じがしました。多分、舞台裏で一人でカメラに向かって演じていたのだと思うのですが、目の前に観客がおらず、反応もわからないまま演ずる不安までも移っているようでした。
作・演出:鎌田順也
出演:墨井鯨子、上田遥、木乃江祐希、川上友里

ちなみに鎌田順也が苦手な理由は、ぐちゃぐちゃしたストーリーの果てに宇宙人や怪獣が暴れ回って話が終わるという展開があまりに多いことと、役者の演技にあまり興味がないようにみえるところです。
上田遥は、ハイバイの「霊感少女、ヒドミちゃん」の主人公と「ある女」のとなりの部屋の娘の役をやっているのしか見たことがありませんでしたが、妙にハスキーな声で喋る不思議ちゃん系のキャラクターで興味を持ちました。
しかし、上田の今回の役柄は割としっかり系のお姉さん的なもので、そうなると声も少しキンキンしているような気もするし、単なる背の低いおばさんにしか見えず、少々残念でした。
物語は、バイト仲間で行った旅行先で亡くなった川上の1周忌に旅行前に撮ったビデオレター持って同じチェーン店のバイトが訪ねてきて,そのビデオレターを見たところ、亡くなった川上が現実に現れたり、生きままあの世に行ってしまったり、大変な目に遭うというものですが、そのテレビに移った川上友里の顔芸が実に面白い。泣き、喚き、怒り、笑う。その顔のアップが大型テレビ画面いっぱいに映し出されて、滅多に見らレないものを見たという感じがしました。多分、舞台裏で一人でカメラに向かって演じていたのだと思うのですが、目の前に観客がおらず、反応もわからないまま演ずる不安までも移っているようでした。
2015年12月2日水曜日
龍昇企画「平成駅前旅館」
2015年12月2日 14時30分開演 中野スタジオあくとれ
作:前川麻子
演出:塩野谷正幸
出演:龍昇、吉田重幸、冨澤力、藍原直樹、浅野千鶴、畑山佳美、前川麻子、ひらたよーこ、根本和史、桜井昭子、関根麻帆、中村榮美子、よこやまよしひろ、塩野谷正幸
Twitterで浅野千鶴が出演していることを知り、慌てて見にいきました。
浅野千鶴は、味わい堂々や池田鉄洋の表現さわやかの公演に出ているのを見て,前から気に入っていた女優でした。
狭いスタジオあくとれにベテラン、中堅、若手が11人入り乱れての公演でしたが、ベテラン俳優の良いところと悪いところが両方表れた芝居だったように思います。
良いところは、経験豊富なだけに各自が自分のテンポを持っていて、なおかつ相手のテンポにも合わせられて、無理のない気持ちよいテンポを作り出すことができる点が、第一にあげられます。悪い点は、よいところの裏返しにもなるのですが、何でも自分の領域に引きずり込んで処理しがちなところで,これが多すぎると舞台にみずみずしさがなくなってきます。
お目当ての浅野千鶴は、ベテランに遠慮しているのは、比較的サラリと芝居をしていましたが、あまり似ていないビートたけしの物真似が面白かったです。
作:前川麻子
演出:塩野谷正幸
出演:龍昇、吉田重幸、冨澤力、藍原直樹、浅野千鶴、畑山佳美、前川麻子、ひらたよーこ、根本和史、桜井昭子、関根麻帆、中村榮美子、よこやまよしひろ、塩野谷正幸
Twitterで浅野千鶴が出演していることを知り、慌てて見にいきました。
浅野千鶴は、味わい堂々や池田鉄洋の表現さわやかの公演に出ているのを見て,前から気に入っていた女優でした。
狭いスタジオあくとれにベテラン、中堅、若手が11人入り乱れての公演でしたが、ベテラン俳優の良いところと悪いところが両方表れた芝居だったように思います。
良いところは、経験豊富なだけに各自が自分のテンポを持っていて、なおかつ相手のテンポにも合わせられて、無理のない気持ちよいテンポを作り出すことができる点が、第一にあげられます。悪い点は、よいところの裏返しにもなるのですが、何でも自分の領域に引きずり込んで処理しがちなところで,これが多すぎると舞台にみずみずしさがなくなってきます。
お目当ての浅野千鶴は、ベテランに遠慮しているのは、比較的サラリと芝居をしていましたが、あまり似ていないビートたけしの物真似が面白かったです。
2015年12月1日火曜日
湯ぶね「愛の水中花」
2015年12月1日 19時30分開演 池袋スタジオ空洞
企画・原案:和田瑠子
作・演出:松本哲也
出演:和田瑠子、久保貫太郎、森谷ふみ、川瀬絵梨、井内ミワク、加瀬澤拓未、森田祐吏
全く知らない女優さんの自主公演でしたが、チラシの推薦文を読むとかなりの天然系のようだったので見にいきました。
物語は、本人の実話を元にしているようで、自閉症の姉とその家族の気持ちの移り変わりを地道に描いたもので、どこといって変なところもないが,面白いかといえば、面白いとは言えない、よくある中途半端な話でしかありませんでした。和田瑠子本人は、ぽっちゃり系のよく言えば癒やし系の女優で、本人にあった役をやればそこそこ面白いかもと思いましたが、きっと根が真面目なんでしょうね、自分の話をしてしまう。小説家は処女作に自分の話を書いて,たいていそれが一番面白い。とよく言われますが、役者にはそれは当てはまらないと思います。
企画・原案:和田瑠子
作・演出:松本哲也
出演:和田瑠子、久保貫太郎、森谷ふみ、川瀬絵梨、井内ミワク、加瀬澤拓未、森田祐吏

物語は、本人の実話を元にしているようで、自閉症の姉とその家族の気持ちの移り変わりを地道に描いたもので、どこといって変なところもないが,面白いかといえば、面白いとは言えない、よくある中途半端な話でしかありませんでした。和田瑠子本人は、ぽっちゃり系のよく言えば癒やし系の女優で、本人にあった役をやればそこそこ面白いかもと思いましたが、きっと根が真面目なんでしょうね、自分の話をしてしまう。小説家は処女作に自分の話を書いて,たいていそれが一番面白い。とよく言われますが、役者にはそれは当てはまらないと思います。
2015年11月27日金曜日
篠田千明「悲劇」
2015年11月27日 19時30分開演 吉祥寺シアター
作:斎藤恵太
補綴:岸井大輔
演出:篠田千明
舞台美術:佐々木文美
映像:いしいこうた
音響:星野大輔
照明:上田剛
振付・ステージング:中林舞
出演:竹田靖、辻村優子、福留麻理、AoKid、安藤尚之、石橋里美、狗丸トモヒロ、榎本純子、大寺亜矢子、小野彩加、貝塚伊吹、勝田智子、小出実樹、斎藤友映、佐久間麻由、佐藤英美、紫藤祐弥、寿里、杉林建生、葉丸あすか、前川遥子、森田有貴、邸木有佳、山田麻子、吉次匠生
元快快の中心メンバーで、現在はタイバンコックに住んでいるらしい篠田千明の公演でした。「悲劇」とは、「悲しい劇」ではなく「劇に非ず」という意味のようです。
チラシ裏のスタッフの言葉を読むと、各スタッフのアイデアを篠田千明がまとめ上げた作品ということのようです。いわゆる「集団創作」のリーダーが篠田千明ということでしょうか。
そうしてできあがった作品は、どこをどうとっても演劇でした。「悲劇ー劇に非ず」を演劇を超える新しい創造を目指している勝手に考えた私の思い違いでした。
残念ながら、演劇としてのできも必ずしも「よい」とは言えないものでした。
作:斎藤恵太
補綴:岸井大輔
演出:篠田千明
舞台美術:佐々木文美
映像:いしいこうた
音響:星野大輔
照明:上田剛
振付・ステージング:中林舞
出演:竹田靖、辻村優子、福留麻理、AoKid、安藤尚之、石橋里美、狗丸トモヒロ、榎本純子、大寺亜矢子、小野彩加、貝塚伊吹、勝田智子、小出実樹、斎藤友映、佐久間麻由、佐藤英美、紫藤祐弥、寿里、杉林建生、葉丸あすか、前川遥子、森田有貴、邸木有佳、山田麻子、吉次匠生

チラシ裏のスタッフの言葉を読むと、各スタッフのアイデアを篠田千明がまとめ上げた作品ということのようです。いわゆる「集団創作」のリーダーが篠田千明ということでしょうか。
そうしてできあがった作品は、どこをどうとっても演劇でした。「悲劇ー劇に非ず」を演劇を超える新しい創造を目指している勝手に考えた私の思い違いでした。
残念ながら、演劇としてのできも必ずしも「よい」とは言えないものでした。
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