2015年3月17日火曜日

風琴工房「PENALTY KILLING」

2015年2月17日 19時30分開演 下北沢ザ・スズナリ
作・演出:詩森ろば
振付:加藤沙希
出演:粟野史浩、筒井俊作、大石憲、金丸慎太郎、久保雄司、酒巻誉洋、杉木隆幸、野田裕貴、三原一太、森下亮、朝倉洋介、岡本篤、金成均、後藤剛範。佐野功、五十嵐結也、岡本陽介、草刈奨悟
風琴工房の公演を見るのも3回目です。「PROOF/証明」、「わが友ヒットラー」とシリアスな芝居が続いていたのでそれが持ち味かと思っていましたが、今回はいい意味で裏切られました。アイスホッケーというマイナーなスポーツを題材に、加藤沙希のダイナミックな振付に助けられたとはいえ、実に面白い2時間を作り出した詩森ろばの力量はたいしたものです。
成功の最大の原因は、あの狭いスズナリにアイスホッケーリンクと観客席、総勢18名の役者を無理矢理押し込めたことです。狭い空間の押し込められた役者のエネルギーが、試合前の選手の雄叫びとなって爆発する。面白くないわけがありません。
もう一つの成功の要因は、選手が大人として描かれていることです。スポーツ選手は本来子供っぽいものだと思います。ましてや、プロになろうとする人は子供の頃からスポーツし
かやってきていないのですから、一般的な意味で常識ある大人になるのは難しいと思います。それをそのまま舞台にのせてしまうと、見る方としてはうんざりしてしまうのは火を見るより明らかです。しかし、ここでは、各選手が自分を客観視できる大人として描かれており、ラストの試合に絡めての15名にも及ぶモノローグも,見せ方の演出的な工夫と相まって、心を揺さぶるものになっていました。

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