2017年1月6日金曜日

ET×2「ゴドーを待ちながら」

2017年1月5日 19時開演 下北沢ザ・スズナリ
作:サミュエル・ベケット
演出:柄本明
出演:柄本祐、柄本時生、谷川昭一朗、高田ワタリ、川崎勇人(ベンガル体調不良による降板に伴う代役)
2014年から3年経った柄本兄弟による再演でした。2014年の時は、覚えた台詞をただ喋っているだけの学芸会状態だったのが、だいぶ台詞が体に入ってきて芝居らしくなりました。演出も柄本明に変わり、ボードビル的な動きも増えて面白くなっていました。
何よりも、ポッツォ役のベンガルの降板に伴う代役の川崎勇人という役者が、他に役者がいなかったのかと疑うほどポッツォ役にふさわしくないトッチャン坊やで、出オチかと思うほど登場するだけで失笑がもれるほど、緊張感が緩みました。ポッツォの登場というのは、「起承転結」の「転」にあたると思うのですが、今までの演出ではおしなべて重要視され、たっぷりと描かれていました。しかし、今回はトッチャン坊やの登場により、相対的にウラジーミルとエストラゴンのやりとりの比重が上がり、全体の統一とスピードが上がり、より面白くなっていました。これがけがの巧妙というやつでしょうか。

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