2013年1月14日月曜日

長塚圭史「音のいない世界で」


2013年1月13日 11時開演 初台新国立劇場小劇場
作・演出:長塚圭史
出演:首藤康之・近藤良平・長塚圭史・松たか子
タイトルと出演者から、無言劇+モダンダンスの公演かと勝手に想像していったら、子供から大人までを対象とした童話劇でした。
貧しい夫婦のもとに、悪魔にそそのかされて泥棒兄弟が蓄音機を盗みに入ります。盗まれてしまった夫婦は、何か大切なものがなくなったと思い、それぞれそれを探しに旅に出ます。様々な人に会い、少しづつ大切なものを探し当てます。最後に、無事蓄音機を見つけて、めでたしめでたし。ストーリーは、簡単にいうとこんなところです。
それより新鮮だったのが、ダンサーである首藤康之の台詞回しの良さ。全くたくらまず、自分の言葉として発声していて、無理をしていない。その分素直に言葉がこちらの心に入ってくる。ダンサーは、動きを第一の表現と考えているから、台詞は苦手というこちらの思い込みを見事に覆してくれました。近藤良平は、コンドルズの公演でコントのようなこともしているから、台詞を喋ることに違和感はありませんでしたが、主藤康之については、踊るところしか見たことがなかったので、驚きでした。
松たか子は、どんなセリフを言っても肉体がついてくるというか、抽象的なセリフでも実感を込めて喋れるところが、素晴らしいです。それにいつも可愛いし。
長塚圭史として、難しいことを考えずに素直に作って見ましたというところでしょうか?
作品によって、スタンスを変えてくるところが、賛否両論を生む原因の一つかもしれません。今年も、彼からは目を話さず、追っかけて行きたいと思います。

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