2013年1月22日火曜日

野鳩+ナカゴー「ひとつになれた」


2013年1月20日 19時開演 下北沢OFF OFFシアター
作:鎌田順也
演出:水谷圭一
出演 : 佐伯さち子、すがやかずみ、佐々木幸子、日野早希子、高畑遊、鈴木潤子、篠原正明、加瀬澤拓未、鎌田順也
昨年観て面白くなかったナカゴーの「薫さん、現る」が、王子小劇場の佐藤佐吉賞の作品賞を受賞したことを知って、権威に弱い私は直近のナカゴー関連のこの芝居を見に行くことにしました。
見た結果は、やはり、少しも面白くない。いい加減長く生きてきて、好き嫌いも固まってしまっているのだから、自分の好みはそう簡単に変わらないことを自覚すべきだと反省しました。
オープニングは、6年間の休止期間を経て復活した鬱病あがりの演出家が、マチソワの間にダメだし稽古をするところから始まります。病気のせいか、いっこうにはっきりしない演出家、ワガママをいい放題の役者たち、それをコントロールできなくて、ますます落ち込む演出家。内幕暴露ものというか、野鳩の休止の説明も兼ねているのかもしれません。
そこに突然現れる宇宙人、あろうことか演出家を食べてしまいます。慌てて劇場を逃げ出し、車で逃げ惑う役者たち。逃げ回った挙句、ノロウィルスで休んでいる脚本家のところに行って、宇宙人騒動の経過と対策を教えてもらい、一安心、一人でもお客さんがくるかもしれないとみんな揃って、劇場に戻ってメデタシ、メデタシ。
実にあらすじを書くだけでも馬鹿馬鹿しい、いい加減なものです。
この芝居で作者がやりたかったのは、車での逃走シーン、丸椅子4つと照明、音響と役者の動きとセリフだけで車で走っているとことを見せる。ただ、それだけではなかったのかと考えてしまう。「薫さん、現る。」の時には、カナヅチを使った乱闘シーンが延々と続きました。それと同様に、車での逃走こそが作者のやりたかったことで、他のことはそれをやるための付け足しにすぎないのではないか。そう見えてしまうほど、他のシーンがいい加減すぎると思います。そして、肝心の逃走シーンが良くできているかといえば、中途半端としか言いようがありません。様式がはっきりしているわけでもなく、緊張感も中途半端だし、躍動感、疾走感、車での逃走シーンに必要と思われる要素が足りません。要するに、自己満足にしか見えないのです。
劇中で、「小劇場の芝居は好き嫌いがはっきりする。特にうち(ナカゴー)の芝居はそうだ。」と言う台詞があるのですが、全くその通りだと思います。
私には、ナカゴー+野鳩の芝居は面白くありません。

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