作・演出:福原充則
出演:安藤聖、石橋静河、町田マリー、吉本菜穂子、野口かおる、島田桃依、葉丸あすか、佐久間麻由、富岡晃一郎
前作「新しいエクスプロージョン」を見逃したので、久しぶりのベッド&メイキングスでした。岸田戯曲賞受賞以後、最初の新作であり野口かおるが出演すると言うことで結構期待して見にいきました。
ストーリーは、自殺するのではないかと心配する妹と妹に信じてもらいたい姉の話と、蜘蛛に恋して近くにいたいために害虫駆除を続ける女の話と、その間をつなぐ幻の女性を様々な女の中に見て、次々と女をくどき続ける男の話の3つのストリーが展開していく。それぞれの話は面白いのだが、その絡みがよくわかりません。普通に考えると女の話は逆のベクトルで同じ事を話し、男の話がそのブリッジになると思うのですが、その関係がよく見えません。
さて野口かおるはといえば、相変わらずのかおる節で快調なのですが、何しろ猛獣なのでやはり猛獣使いが必要です。今回で言えば相手役の富岡真一郎ですが、その役割を果たすことができないのかやる気がないのかわかりませんができていないので、かおる節はことごとく不発に終わりました。
シリアスに台詞を言えば、安物の刑事ドラマのパロディみたいだし、感性の発露は、「うほっ、うほっ」というゴリラの叫びにしか聞こえないのです。
はじめて野口かおるを見たのは、ベッド$&メイキングスの「未遂の犯罪王」で、そこでは、あおるシーンでその芝居の価値を飛躍的に高める芝居をしたので、今回も期待したのですが、残念です。