2013年4月26日金曜日

泥棒対策ライト「あ~あ」


2013年4月25日 20時開演 吉祥寺キチム
振付・演出 : 下司尚美
出演:大庭裕介、近藤彩香、佐々木冨貴子、白倉裕二、下司尚美
ダンスの公演は、その独特のストイックな雰囲気が苦手で積極的に見にはいかないのですが、この公演は急に入ってきた仕事の都合で、観劇のスケジュールを組み直さなければいけなくなった時に、チラシを見て一発で見に行くことを決めました。「あ~あ」という脱力感満載のタイトルのせいかもしれません。結果はとてもゆったりした気分のまま、楽しく1時間を過ごすことができました。これは、振り付け・演出の下司尚美の肝っ玉母さん的な人柄からくるところが大きいと思います。本人自ら、客入れを行い、トイレの心配をし、前説までして、そのまま、本番になだれ込むという大活躍でした。出演者も、ダンスのトレーニングをしていたのは近藤彩香ただ一人で、残りは、下司を含めて正式なダンスレッスンを受けたこともない役者ばかりでした。ダンサーとしてみると、決してうまくはないが、それぞれの頑張りと解釈で踊っていて、面白かったです。特に、背が小さく手足も短い佐々木富貴子が、踊れていないなりに、がんばって工夫している姿は、面白かったです。また、それを良しとしてうまくまとめた下司の力量はたいしたものです。会場も、劇場ではない地下のカフェで、客とダンサーの距離が近く、それが否応無く一体感を醸し出して、楽しめました。
前日に見た「レミング」が、この何十倍ものコストと人間を動員して出来上がっていたのと比べても、満足度としては、こちらの方が上でした。

「レミング」


2013年4月24日 14時開演 渋谷パルコ劇場
作 : 寺山修司
演出 : 松本雄吉
出演:八嶋智人、片桐仁、常盤貴子、松重豊 他
寺山修司の言葉が未だに古びていないことが確認できた芝居でした。唐十郎の言葉が、まだ見ぬロマンスを語る言葉だとすれば、寺山修司の言葉は、存在しないノスタルジーを語る言葉だと思います。ただ、ロングコートに山高帽で舞台を上下に行進するコロスたちは、その言葉とは明らかに異質でした。維新派の舞台を見たことのある人によれば、あのコロス達は「とても、維新派風」なのだそうです。コロスのストイックな動きは、過剰なまでにロマンチックでノスタルジックな寺山修司のイメージを拡大するためには、決して役立っておらず、静かな異物としてなぜかそこにあるという感じでした。

水素74%「半透明のオアシス」


2013年4月23日 19時30分開演 三鷹市芸術文化センター
作・演出 : 田川啓介
出演:斎藤淳子、浅野千鶴、兵藤公美、斎田恵子
知人から面白いと噂を聞いて、見に行きました。私の中では、「青年団系」と分類される人のプロデュースユニットです。
見て、なぜ私が「青年団系」の芝居を積極的に見にいかないのか、その理由を再確認しました。
いわゆる「現代口語体演劇」とか、「静かな演劇」と呼ばれる芝居は、一見、素材の味を重視したほとんど調理しない料理のように見えますが、実際には余分な台詞を排除し、なにげない台詞を目的に向かって厳密に並べていくという、かなり高度な脚本力、演出力、役者の演技力が必要となってきます。そのどれかの不足を補おうと自分なりのスパイスを効かせると、ただのよくある芝居になってしまいます。しかも、基本的に抑制された芝居ですから、脚本や演出の意図しない、役からはみ出してしまう役者の個性とか、とちった時の役者の素の部分とかを見る喜びは、ほとんど期待できません。
また、「静かな演劇」では、背景もかなり重要です。その芝居のおかれている社会情勢なり、心理的な背景が見えてこないと、単なる家庭内の愚痴の言い合いにしか見えなくなる危険性が常に存在します。
この水素74%の芝居も、残念ながらそのようなつまらない「現代口語体演劇」の一つでした。

庭劇団ペニノ「大きなトランクの中の箱」


2013年4月23日 19時30分開演 森下スタジオBスタジオ
作・演出・美術:タニノクロウ
出演:山田伊久磨、瀬口タエコ、島田桃依、飯田一期
マンションの一室をアトリエにして様々な作品を作ってきたらしい劇団が、老朽化によるマンション取り壊しに伴い、始めて外部で発表するはこぶね作品(箱舟とはアトリエの名前らしいです)の、第一作ということでした。スズナリの半分程の広さのスタジオに60名分のひな壇客席と、幅二間、高さ9尺ほどの額縁舞台をわざわざ作っての公演でした。額縁にはもちろん目的があって、それは、盆回しで四つの部屋を転換するためでした。しかも、そのうち二つは二階建て。ある意味、驚愕の舞台装置でした。
物語は、エディプスコンプレックスをそのまま芝居にしたようなストーリーで、ペニスのオブジェや、射精を思わせるシーンがふんだんに出てきます。普通の劇場であれば白けてしまうと思われますが、あの狭い空間では観客も共犯意識を知らず知らず持ってしまうので、白けることもありませんでした。
何より面白かったのは、あの空間を選び、執拗なまでにこだわった芝居つくりをした演出家の執念でした。偏執狂とも思えるこだわりは、怖いほどでした。

2013年4月21日日曜日

iPadでブログ編集

iPadを購入した目的の一つは、Macを使わずにiPadだけでブログの編集をすることでした。
買ってすぐにトライしてみましたが、なぜかログインはできるもののその先に進めず、あきらめていました。ところが、先ほど何の気なしにiPadからログインしてみたところ、するすると編集画面までいけてしまいました。前回は、何がいけなかったのでしょう。全くわかりませんが、終わり良ければすべて良し。大きな前進です。
今までのブログ編集の流れは、
1.iPhoneかiPadのメモで,文章を入力。
2.写真は、iPhoneで撮って、iPhotoに保管。
3.Macから、iCloud上のメモにアクセスして、文章をコピーペースト。
4.写真は、Mac上でPhotoshopでトリミングして、アップロード。
というものでした。
下書きはiPadでできるが、編集、アップロードにMacが必要でした。
それができることがわかったので、後はiPhoneからiPadに写真を持ってくる方法だけです。
それもWebで検索したところ、いろいろな方法があることが簡単にわかりました。様々な方法を比べて見ましたが、私の目的にはDropboxを経由するのが一番向いているようです。「設定」の「プライバシー」の「写真」のDropboxの項目をONにするだけで、アップロードダウンロードが簡単にできます。後は、iPadのPhotoExpressでトリミングすれば、OKです。
これで、どこでもインターネットにつながりさえすれば、ブログの更新ができます。
と思って、iPadでトライして見ましたが、Web上での写真のレイアウト変更がうまくできませんでした。結局、最後はMacからアクセスし直して、レイアウト調整を行いました。ここをクリアできれば、当初の目的が達成できるのですが、さらなる研究が必要なようです。
ちなみに、この文章も、iPadからアップロードしてみましたが、Web上でコラム内のスクロールがうまくいかず、結局、Macから編集しました。

Straw&Berry「マリア」


2013年4月17日 19時30分開演 王子小劇場
作・演出:河西裕介
出演:野田祐貴、百花亜希、鮎川桃果、金丸慎太郎、松澤匠、野田滋伸、佐賀モトキ、岡野康弘、岩本えり
手書きをそのまま印刷したようなチラシに惹かれて見にいきました。「絶望」と「再生」をテーマだと言っていますが、中身は明らかに神聖かまってちゃんのの子をモデルにした躁鬱病のバンドマンのわがままいっぱいの恋とセックスと失恋の話で、この年になると全く共感できるところがありません。輪をかけてわからないのが、「おまけ演劇」の「会沢ナオトインティライミ」です。「愛は地球を救う」と称してわけのわからない寸劇が上演されましたが、あれは何だったんでしょうか?
お客さんへのサービスのつもりでしょうか?こっぱずかしい芝居をしてしまったことの照れ隠しでしょうか?
私には全く理解できませんでした。
二度と見に行くことはないでしょう。

2013年4月14日日曜日

犬と串「左の頬」

2013年4月10日 19時30分開演 シアター風姿花伝
作・演出:モラル
出演:鈴木アメリ、二階堂瞳子、満間昂平、藤尾姦太郎、一色洋平、堀雄貴、石黒淳士、宮本初、萩原達郎
犬と串の鈴木アメリと、昨年解散したバナナ学園の二階堂瞳子のW主役なんですが、二人とも全く可愛くない。まず、それが残念でした。しかし、最大の残念はくだらないことを貫徹できなかったことです。くだらないことを、僕たちはこれがくだらないことだとわかってますけど、やります。という意識が見え隠れするところが、最大の残念でした。くだらなかろうがなんだろうが、これだと信じてやり抜く意思と熱意、それこそがくだらないけれど面白い芝居を作るのに、それをするには頭が良すぎるのでしょうか?
結局、よくある若者のダジャレ芝居になっていました。
次回作は、見ないと思います。


2013年4月8日月曜日

iPad 4


去年の12月にiPadを購入しました。
購入は前々から考えていたことですが、iPhone 5にしてテザリングができるようになったこと、iPadにもRetinaディスプレイが乗ったことが最後の購入動機となって、Applestore渋谷店に飛び込みました。
考えてみれば、iPhone 5にしたのも前に使っていたiPhone 4を間違ってiOS 6にアップグレードした結果、動きが緩慢になったのに耐えきれなかったせいでした。見事に、Appleの術中にはまったというべきでしょう。iPad購入の最大の目的は、夏に向けてハンモックに寝っ転がりながら、ウエブブラウズしたり、映画を見たり、読書をすることでした。また、外出時も、MacBookより手軽に持ち運んで芝居の感想を書いたり、ブログの更新もできればしたいというものでした。
買ったのは、64GBのWi-Fi専用の黒です。Wi-Fi 3G兼用は、テザリングできるし、LTEにはつながらないし、月々5000円払うのは、たまにしかつなげないのにもったいなさすぎると思って、最初から眼中にありませんでした。
約、4ヶ月使って見ての感想は、このサイズ、この重さでは、まだまだ大きいし、重すぎるというものです。
寝っ転がって使うには、手で支えているのには重すぎでした。すぐに手がくたびれてしまいます。
外出時には、やはり、直に電話回線につながらないのは、不便です。テザリングは、結構めんどくさいです。また、ブログの更新も今のところ成功していません。
結論としては、あれば便利だけれど、なくても大丈夫という感じです。
私の外出時の理想は、iPad Miniのサイズで、LTEにも対応したiPhoneです。そう思われている人も少なくないと思いますが、Appleはわかっていてもそんな機種は出さないでしょうね。自分のマーケットを荒らすだけで、パイが増えるわけではないですから。
とりあえず、夏までに、フレキシブルアームのついたiPadのスタンドを探しています。

ブルドッキングヘッドロック「少し静かに」

2013年4月4日 19時開演 下北沢ザスズナリ
作:喜安浩平
演出:西山宏幸
出演:山口かほり、帯金ゆかり、はしいくみ、星原むつみ、津留崎夏子、宮下雄也、嶋村太一、深澤千有紀、寺井義貴、篠原トオル、福原充則、喜安浩平、永井幸子、根本宗子、小島聴、藤原よしこ、岡山誠、猪爪尚紀
元バンドマンの劇団主催者が、本公演23本目にして初めての演出というチラシの裏情報に惹かれて見にいきました。
様々な演出上のアイデアに溢れた舞台でしたが、そのために芝居の焦点がぼけて、上演時間が延びただけの結果に終わっていました。
例えば転換ですが、セットが写実的ななため、転換しなければならない小道具が山のようにありました。それを役者達がシルエットの中、音楽に合わせて、踊りながら転換する。上手の壁には時間経過を表す日付が投影される。気詰まりな転換時間を少しでも面白いものにしようという考えでしようが、役者の動きが計算され尽くされていないので、へんにワサワサした落ち着かない時間になっていました。
芝居のテーマとしては、人と人のコミュニケーション、関わり方の難しさでしたが、ラスト、テルミンが故障して、偶然すべての人がつながってしまうのは、あまりにも御都合主義ではないでしょうか?その疑問を打ち消すためか、オーストラリアかニュージーランドのオールブラックスが試合前にやるアボリジニの戦いのダンスを全員でやるのですが、疑問は減るどころか、増えるだけでした。
芝居の楽しみの一つに前見た芝居に出ていた役者が、今回は別のキャラクターで出ているのを見ることがあると思います。今回は前々から気になっていた役者が多く出ていたので、その面では楽しかったです。
役者は面白かったが、芝居は残念というところでしょうか。

テアトル・ド・アナール「従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがブルシーロフ攻勢の夜に弾丸の雨降り注ぐ哨戒塔の上で辿り着いた最後の一行“─およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない”という言葉により何を殺し何を生きようと祈ったのか?という語り得ずただ示されるのみの事実にまつわる物語」

2013年4月3日 19時30分開演 駒場アゴラ劇場
作・演出:谷賢一
出演:伊勢谷能宣、井上裕朗、榊原毅、西村壮悟、山崎彬
手で書いたら間違えずに書き写すことが不可能なほど長い題名が、すべてを言い表しているような芝居でした。しかし、それは中身がないという意味ではなく、それにふさわしい内容の充実した芝居でした。始めて谷賢一の作・演出を見たのは、俺とあがさと彬と酒とというプロジェクトによる「マクベス」でしたが、その時の印象は、「若さゆえの勢いと未熟さ」でした。しかし、今回はうってかわって大人な感じのがっしりした思考実験にも似た落ち着いた芝居に仕上がっていました。
第一次世界隊のオーストリアの最前線の兵舎という生と死が隣り合っている場所で、人間の様々な本性がむき出しになっていく中で哲学的考察を続けるウィトゲンシュタインが、有名な命題「およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない」にたどり着く過程を、イギリスにいる友人の亡霊との対話や、周りの兵士たちとの対立を通じて、わかりやすく描いて行きます。
実に見応えのある105分間でした。
悪い芝居の中では、少し嫌味に感じる山崎彬の芝居も、今回のアンサンブルの中では、即物的な人間性の迫力として感じられ、好演でした。
谷賢一としては、「語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない」という言葉の後に、「語り得ぬことを語るのは、芸術の仕事だ。」と、続けたかったのだろうと思います。

2013年4月4日木曜日

2013年第一四半期観劇のまとめ


1月3日 「新年工場見学会2013」
1月8日 「100万回生きた猫」
1月9日 ぬいぐるみハンター「ゴリラと最終バス」
1月10日 東京デスロック「東京ノート」
1月12日 生前葬「笑ってタナトスくん」
1月13日 長塚圭史「音のいない世界で」
1月19日 ナカミチ円陣「三人獅子舞」
1月19日 30 Years Godot「ゴドーを待ちながら」
1月20日 マームとジプシー「あ、ストレンジャー」
1月23日 毛皮族「ヤバレー、虫の息だぜ(仮)」
1月24日 タカハ劇団「世界を終えるための会議」
1月25日 トムプロジェクトプロデュース「熱風」
1月26日 砂地「Disk」
1月30日 サンプル+青年団「地下室」

2月2日 羽衣プロデュース「サロメ VS ヨナカーン」
2月3日 劇団宝船「撫で撫で」
2月25日 柿食う客「発情ジュリアスシーザー」
2月26日 ナイロン100℃「デカメロン21あるいは男性の好きなスポーツ」
2月27日 鹿殺し「BONE SONGS」
2月28日 扉座「つか版・忠臣蔵」
2月28日 レモンライブ「トリオ」

3月5日 KAKUTA「秘を以て成立とす」
3月12日 月刊根本宗子「今、出来る、精一杯。」
3月14日 松尾スズキ「マシーン日記」
3月15日 ワワフラフラミンゴ「馬のリンゴ」
3月25日 MONO「うぶな雲は空で迷う」
3月26日 悪い芝居「キャッチャーインザ闇」

2013年の第一四半期は、1月 14本、2月7本、3月6本で、計27本。1月は暇だったので、大量に芝居を見ることができました。しかし、チラシの印象だけで見ず知らずの劇団を見にいくと、ハズレの芝居に出会うこともよくあることで、そんな芝居が2、3本続くと、劇場に行くことさえ辛くなったりします。やはり、芝居は間を開けて、体調も万全で心に余裕がある状態で見たいものです。
幸いなことに、面白い芝居も何本もありました。到底ベストスリーに絞れないので、面白かった芝居を列記したいと思います。
1月8日 「100万回生きた猫」
1月13日 長塚圭史「音のいない世界で」
1月20日 マームとジプシー「あ、ストレンジャー」
1月25日 トムプロジェクトプロデュース「熱風」
1月26日 砂地「Disk」
1月30日 サンプル+青年団「地下室」

2月2日 羽衣プロデュース「サロメ VS ヨナカーン」
2月27日 鹿殺し「BONE SONGS」
2月28日 扉座「つか版・忠臣蔵」
2月28日 レモンライブ「トリオ」

3月14日 松尾スズキ「マシーン日記」

以上、11本でした。
ざっと見渡すと、若手の小劇場の劇団に混じって、中堅の劇団や一般的に評価されている劇作家が入っていることが今期の特徴でしょうか?
長く続けているにはそれなりの理由があるわけですし、一般の評価もそんなに間違っているわけでもなさそうです。問題は、それらの劇団の料金が若手に比べて高いことです。そちらに照準を合わせていくと、財布が持ちません。懐具合と相談しながら、見る劇団を選んで行きたいと思います。

2013年4月2日火曜日

悪い芝居「キャッチャーインザ闇」



2013年3月26日 14時開演 王子小劇場
作・演出:山崎彬
音楽 : 岡田太郎
出演:池川貴清、植田順平、大川原瑞穂、北岸淳生、呉城久美、宮下絵馬、森井めぐみ、山崎彬、大塚宣幸、田川徳子、福原冠
MONOに続いてこちらも2回目の観劇でした。「目が見えるようになると、見えなかった時に見えていたものが見えなくなる。」を合言葉にした、「夢をみる。夢を見続ける。」ことについての芝居でした。
前回の「カナヅチ女、夜泳ぐ」では、漠然とした目標はあるものの、そこにどのようにたどり着いたらよいかわからず、手探りで闇雲に進んでいるような印象でしたが、今回は目標にたどり着く方法はわかったつもりなのだが、思っているようには進めない、その焦りが色こく現れていました。何とかスピードをあげることで、目標に早くたどり着きたいという気持ちばかりが前面に出すぎて、空回りしている場面が多々ありました。
全体にスピード感を出すことにこだわりすぎて、焦っているように見えてしまうことが多々ありました。
3本のストーリーが入り乱れる構成ですが、そのうちの1組が松本大洋の「鉄コン筋コンクリート」のパクリで、衣装がほとんど漫画のままというのには、笑いました。
一作毎に成長の感じられる劇団です。次回作も是非、見たいと思います。

MONO「うぶな雲は空で迷う」


2013年3月25日 19時30分開演 赤坂レッドシアター
作・演出:土田英生
出演:水沼健、奥村泰彦、尾方宣久、金替康博、土田英生
2回目のMONO観劇でした。ロビーで今までの40回の公演のポスターの展示がありました。時間ギリギリで入ったので、詳しく見る余裕がなかったのですが、私が知らないだけで結構古い劇団だったのですね。前回の「少しはみ出したら、殴られた」と言い、今回の公演もそうですが、落ち着きというのか、安定感はそこからきているのでしょう。
「大きな戦の後、大陸がなくなって様々な島々に別れてしまった世界を、飛行船で飛び回る五人の窃盗団」という、ラピュタから借りてきたような背景設定には、ラピュタ好きとしてはニンマリしてしまいました。
嘘をついてまでも自分のアイデンティティを確立したいという馬鹿げているが愛おしい人間を、優しく描けているのには、感心しました。