2019年8月4日 19時開演 下北沢Geki地下Liberty
作・演出:田中聡
出演:鎌田順也(ナカゴー)、岩崎う大(かもめんたる)、猪股俊明、永井秀樹(青年団)、金子岳憲、師岡広明、篠崎大悟(ロロ)、青年団 /、宮部純子(五反田団)、坂口辰平、成瀬正太郎、芦原健介
気になる役者、宮部純子ねらいで見にいきました。作・演出の田中聡さんは、映画とかコマーシャルをとっている映画監督のようです。
内容は突き抜けたところがひとつもないコメディで、退屈なものでした。
おめあてはの宮部純子は、客入れ誘導と前説の不機嫌そうな感じが芝居よりも印象に残りました。岩崎う大がロケット開発に情熱を注ぐ研究者の役で、それはお前のキャラクターではないだろうと、突っ込みたくなりました。篠崎大悟はロロの文脈の中で生きてくる役者であり、独自のキャラクターで光るタイプではまだないことも発見でした。
2019年8月29日木曜日
東葛スポーツ『78年生まれ、宮部純子』
2019年7月21日 18時開演 シアター1010稽古場1
構成・演出:金山寿甲
出演:宮部純子(五反田団)、森本華(ロロ)、川﨑麻里子(ナカゴー)、田畑菜々子(ナカゴー)、渕野修平
私の気になる役者、「舞台上の挙動不審者」宮部純子の名前がタイトルに入っているので、東葛スポーツを見にいきました。
会場がいつもと違ってシアター北千住の稽古場で、表に目立った看板も出ておらず、まるで関係者限定の試演会のような雰囲気で緊張しました。
内容は宮部純子の半生をふり返りつつ、最後にはフェミニストをディスるという、いつもどうりの展開というか安定の路線で波乱もなく、無事終わりました。今回の気づきは2点、森本華と川崎麻里子は私には区別できないことと、ラップのベーストラックは全曲一緒であるということでした。
構成・演出:金山寿甲
出演:宮部純子(五反田団)、森本華(ロロ)、川﨑麻里子(ナカゴー)、田畑菜々子(ナカゴー)、渕野修平
私の気になる役者、「舞台上の挙動不審者」宮部純子の名前がタイトルに入っているので、東葛スポーツを見にいきました。
会場がいつもと違ってシアター北千住の稽古場で、表に目立った看板も出ておらず、まるで関係者限定の試演会のような雰囲気で緊張しました。
内容は宮部純子の半生をふり返りつつ、最後にはフェミニストをディスるという、いつもどうりの展開というか安定の路線で波乱もなく、無事終わりました。今回の気づきは2点、森本華と川崎麻里子は私には区別できないことと、ラップのベーストラックは全曲一緒であるということでした。
清水宏の戯曲の真相 SEASON2「熱海殺人事件」
2019年7月16日 19時30分開演 横浜若葉町ウォーフ
監修:佐藤信
出演:清水宏
清水宏が、戯曲についてスタンドアップコメディをすると知ったので、見にいきました。
出だしは、熱海に現地調査に行っておばさんたちとストリップを見た話しで始まります。これは、まあ、つかみといったところでしょうか。
次につか戯曲の本質は「差別」であるという分析、これも「差別を肯定も否定もしていない」という的確なコメントはあるものも、あっさりしたものでした。
ラストは、「熱海殺人事件」のハイライト、取り調べのシーンを一人芝居で演じる、という構成で、全部で1時間くらいでしょうか。
短い休憩をはさんで、佐藤信とのアフタートークがありました。アフタートーク嫌いの私ですが、つか戯曲の突っ込んだ話が聞けるかと思い、残って見ましたが、つかこうへいの話は一切せず、佐藤信の出自はアングラなのかとか、なぜ若葉町ウォーフを作ったのかという話しに終始しました。
コメディをする清水宏よりも役者としての清水宏の方が好きな私としては、残念な結果に終わりました。
コメディという芸は(これは落語や漫才も同じだと思いますが)自分のパターン、芸風と言ってもいいですが、これを確立してそれにお客を引きずり込む事が要だと思います。その意味ではワンパターンなものです。そのワンパターンに以下にうまく誘導するかが腕の見せ所なのです。清水宏がスタンドアップコメディでみせる過剰な熱量は非常に面白いものではありますが、それでもいつもうまくいくとは限らず、時にはうっとうしいものになります。それよりも芝居の舞台に立っているときにそこはかとなく漂う違和感、なぜか芝居の一部になりきれていないと感じているような孤独感のほうが、私は好きです。
監修:佐藤信
出演:清水宏
清水宏が、戯曲についてスタンドアップコメディをすると知ったので、見にいきました。
出だしは、熱海に現地調査に行っておばさんたちとストリップを見た話しで始まります。これは、まあ、つかみといったところでしょうか。
次につか戯曲の本質は「差別」であるという分析、これも「差別を肯定も否定もしていない」という的確なコメントはあるものも、あっさりしたものでした。
ラストは、「熱海殺人事件」のハイライト、取り調べのシーンを一人芝居で演じる、という構成で、全部で1時間くらいでしょうか。
短い休憩をはさんで、佐藤信とのアフタートークがありました。アフタートーク嫌いの私ですが、つか戯曲の突っ込んだ話が聞けるかと思い、残って見ましたが、つかこうへいの話は一切せず、佐藤信の出自はアングラなのかとか、なぜ若葉町ウォーフを作ったのかという話しに終始しました。
コメディをする清水宏よりも役者としての清水宏の方が好きな私としては、残念な結果に終わりました。
コメディという芸は(これは落語や漫才も同じだと思いますが)自分のパターン、芸風と言ってもいいですが、これを確立してそれにお客を引きずり込む事が要だと思います。その意味ではワンパターンなものです。そのワンパターンに以下にうまく誘導するかが腕の見せ所なのです。清水宏がスタンドアップコメディでみせる過剰な熱量は非常に面白いものではありますが、それでもいつもうまくいくとは限らず、時にはうっとうしいものになります。それよりも芝居の舞台に立っているときにそこはかとなく漂う違和感、なぜか芝居の一部になりきれていないと感じているような孤独感のほうが、私は好きです。
Newyork2019 Vol.25「Broadway Musical」
2019年7月1日
6月9日にトニー賞の発表があってから約1ヶ月、続々とミュージカルの終了予定が発表されています。一番近いのが、7月7日の「My Fair Lady」まあこれは2018年の4月に始まったもので昨年のトニー賞の範囲なので、1年3ヶ月くらいの公演期間でした。
8月11日にしまるのが、「Be More Chill」と、「The Prom」の2本です。「Be More Chill」のオープンが今年の3月11日、「The Prom」が2018年の11月15日です。どちらも1年未満、「Be More Chill」は高校生くらいの若い観客が多く、ミュージカルとは思えない盛り上がり方をしていたので、新しい観客層をつかんでロングランかと思っていたのに意外でした。「The Prom」は、よくあるブロードウェイのミュージカル製作方法にうまく今のLGBT問題をのっけて、既成のミュージカルファンと若い層を取り込めるのかと思っていたのに、残念です。
続いて8月18日に終わるのが、「The Cher Show」と「King Kong」です。The Cher Show」が2018年の12月3日開始、「King Kong」は2018年の11月3日開始ですから、やはり1年未満でのクローズです。「The Cher Show」は最近増えてきた伝記ミュージカルですが、実際にあった「The Cher Show」というテレビ番組のスタジオという大枠を構えて、その中で年代別の3人のシェールが一人で、二人で、はたまた三人で歌い、踊り、芝居もするという構成がうまく聴いていて、最後まで飽きません。同じ伝記ミュージカルの「Beautiful: The Carole King Musical」と比べると、ミュージカルのできとしては「The Cher Show」の方がよくできていると思うのですが、かたや2014年以来5年のロングラン、もう片方は9ヶ月で終わりという結果になってしまいました。キャロル・キングの方は悪くいうと「懐メロ、そっくりさん物真似ショー」なのですが、こんなに続いたのは、ソングライターとしての偉大さのせいでしょうか?
シェールの方はエキセントリックな言動や、露出の限界に挑戦するような奇抜な衣装などで、名前を知る人こそ多かったものの、嫌いな人も多かったのかもしれません。
「King Kong」は斬新で大規模な仕掛けを見せるショーだと思うので、11ヶ月の長さはこんなものなのかもしれません。
聴いたところによると、ブロードウェイミュージカルの制作に投資された資金を回収するのに1年かかるそうなので、個々であげた作品は投資資金の回収に失敗していることになります。もっとも、「King Kong」は先にオーストラリアで制作されたものなので、ひょっとしたら、回収成功案件なのかもしれません。いずれにしても厳しい世界です。
ブロードウェイの超ロングラン作品を調べてみると、一番長いのが「Chicago」で23年、次が「Lion King」で22年、三番目が「Phantom Of The Opera」で21年でした。ぐっと離れて、「Book Of Mormom」が8年で四番手です。これらの作品は宝の山ということですね。
今後オープンが予定されているミュージカルの中で、パブリシティ的に注目を浴びるのは、ボブ・ディランの「Girl From The Nortu Country」でしょう。2020年の2月プレビュー開始予定です。一度ロンドンで上演されていますが、ブロードウェイでの評判はどうなるでしょう。
個人的にはディビット・バーンのファンなので、「David Byrne's American Utopia」も気になります。ディビット・バーンは、パブリック・シアターで「Here Lies Love」というフィリッピンのイメルダ・マルコス夫人をモチーフにしたミュージカルを見ましたが、内容がシリアスすぎてブロードウェイにはこれなかったという印象でした。
ミュージシャンの名前をタイトルにもってくるプロジェクトはうまくいかないという印象があるので心配です。
2020年の秋には、ヒュー・ジャックマン主演で「MUsic Man」のリバイバルも予定されています。「世界で一番善良な人」という印象のヒュー・ジャックマンですから、恋に落ちて、その町のために働く詐欺師なんてぴったりだと思います。
伝記ミュージカルでは、ティナ・ターナーの「Tina!」の予定もありますね。夫アイク・ターナーの家庭内暴力、キリスト教から創価学会への改宗など、ドラマティックな要素はたっぷりなので、面白くなるかもしれません。もっとも、改宗ににつては描かれないと思いますが。
6月9日にトニー賞の発表があってから約1ヶ月、続々とミュージカルの終了予定が発表されています。一番近いのが、7月7日の「My Fair Lady」まあこれは2018年の4月に始まったもので昨年のトニー賞の範囲なので、1年3ヶ月くらいの公演期間でした。
8月11日にしまるのが、「Be More Chill」と、「The Prom」の2本です。「Be More Chill」のオープンが今年の3月11日、「The Prom」が2018年の11月15日です。どちらも1年未満、「Be More Chill」は高校生くらいの若い観客が多く、ミュージカルとは思えない盛り上がり方をしていたので、新しい観客層をつかんでロングランかと思っていたのに意外でした。「The Prom」は、よくあるブロードウェイのミュージカル製作方法にうまく今のLGBT問題をのっけて、既成のミュージカルファンと若い層を取り込めるのかと思っていたのに、残念です。
続いて8月18日に終わるのが、「The Cher Show」と「King Kong」です。The Cher Show」が2018年の12月3日開始、「King Kong」は2018年の11月3日開始ですから、やはり1年未満でのクローズです。「The Cher Show」は最近増えてきた伝記ミュージカルですが、実際にあった「The Cher Show」というテレビ番組のスタジオという大枠を構えて、その中で年代別の3人のシェールが一人で、二人で、はたまた三人で歌い、踊り、芝居もするという構成がうまく聴いていて、最後まで飽きません。同じ伝記ミュージカルの「Beautiful: The Carole King Musical」と比べると、ミュージカルのできとしては「The Cher Show」の方がよくできていると思うのですが、かたや2014年以来5年のロングラン、もう片方は9ヶ月で終わりという結果になってしまいました。キャロル・キングの方は悪くいうと「懐メロ、そっくりさん物真似ショー」なのですが、こんなに続いたのは、ソングライターとしての偉大さのせいでしょうか?
シェールの方はエキセントリックな言動や、露出の限界に挑戦するような奇抜な衣装などで、名前を知る人こそ多かったものの、嫌いな人も多かったのかもしれません。
「King Kong」は斬新で大規模な仕掛けを見せるショーだと思うので、11ヶ月の長さはこんなものなのかもしれません。
聴いたところによると、ブロードウェイミュージカルの制作に投資された資金を回収するのに1年かかるそうなので、個々であげた作品は投資資金の回収に失敗していることになります。もっとも、「King Kong」は先にオーストラリアで制作されたものなので、ひょっとしたら、回収成功案件なのかもしれません。いずれにしても厳しい世界です。
ブロードウェイの超ロングラン作品を調べてみると、一番長いのが「Chicago」で23年、次が「Lion King」で22年、三番目が「Phantom Of The Opera」で21年でした。ぐっと離れて、「Book Of Mormom」が8年で四番手です。これらの作品は宝の山ということですね。
今後オープンが予定されているミュージカルの中で、パブリシティ的に注目を浴びるのは、ボブ・ディランの「Girl From The Nortu Country」でしょう。2020年の2月プレビュー開始予定です。一度ロンドンで上演されていますが、ブロードウェイでの評判はどうなるでしょう。
個人的にはディビット・バーンのファンなので、「David Byrne's American Utopia」も気になります。ディビット・バーンは、パブリック・シアターで「Here Lies Love」というフィリッピンのイメルダ・マルコス夫人をモチーフにしたミュージカルを見ましたが、内容がシリアスすぎてブロードウェイにはこれなかったという印象でした。
ミュージシャンの名前をタイトルにもってくるプロジェクトはうまくいかないという印象があるので心配です。
2020年の秋には、ヒュー・ジャックマン主演で「MUsic Man」のリバイバルも予定されています。「世界で一番善良な人」という印象のヒュー・ジャックマンですから、恋に落ちて、その町のために働く詐欺師なんてぴったりだと思います。
伝記ミュージカルでは、ティナ・ターナーの「Tina!」の予定もありますね。夫アイク・ターナーの家庭内暴力、キリスト教から創価学会への改宗など、ドラマティックな要素はたっぷりなので、面白くなるかもしれません。もっとも、改宗ににつては描かれないと思いますが。
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