2015年4月27日月曜日

ONEOR8「ゼブラ」

2015年4月22日 19時30分開演 新宿Space雑遊
作:田村孝裕
演出:伊藤俊輔
出演:富田直美、枝元萌、椿弓里奈、鈴木朝代、恩田隆一、生津徹、松本亮、遠藤隆太、笹野鈴々音、伊藤俊輔、山口森広、田口朋子
自分の浮気が原因で夫に逃げられ、女手ひとつで四人の姉妹を育て上げ、呆けたあげく死んでしまった母親の葬式前後のお話。
主人公はその四姉妹で、母親似の長女、のんびり屋の次女、可愛い振りして結構したたかな三女、意固地すぎて自分でもそれをもてあましている四女、特に四女にフォーカスして話は進んでいきます。
脚本がよく書けていて、四姉妹の性格のかき分けとか、その周りの男たちのあり方もよく考えられていました。また演出も笑いの要素が多いとは言え、基本的にオーソドックスで、気になる破綻もありません。そうなると、きになってくるのは役者の力量です。どうしてももっと力のある役者がやれば,格段に面白くなるのにと思わずに入られません。
一見、ラストに向けて解決していくように見える各々の問題、長女の夫の浮気、次女のマリッジブルー、三女の夫のパチンコ狂い、四女の意固地さは、実は全く解決しているわけではないのです。結構、シリアスで深い問題を抱えた戯曲ですが、それを役者が十分に体現できていたとは思えません。

2015年4月19日日曜日

拙者ムニエル「わくわくステーション」

2015年4月18日 19時30分開演 下北沢駅前劇場
作・演出:村上大樹
出演:加藤啓、千代田信一、澤田育子、山岸拓生、寺部智英、伊藤修子、村上大樹、小林健一、浅野千鶴
割と気に入っているGood morning No.5の澤田育子が所属する劇団拙者ムニエルの芝居を見にいきました。劇団としては6年ぶりの公演だそうで、もちろん私は初めてです。
内容は、「まあくだらない」の一言に尽きます。40歳にもなろうかとういう中年の男女が、わくわくを求めて芝居をする。しかも、内容は一切ない。その振り切れ具合が、素晴らしいです。向かう方向性に違いはあるものの、東葛スポーツに共通するものを感じます。
次の公演がいつになるかわかりませんが、また、見たいと思います。

2015年4月18日土曜日

極東退屈道場「タイムズ」

2015年4月17日 19時30分開演 座・高円寺
作:林真一郎
演出・美術:佐藤信
振付:原和代
出演:猿渡美穂、小笠原聡、あらいあら、石橋和也、後藤七重、船戸香里、井尻智絵、中元志保
いつもスケジュールが合わず見に行けない劇団のひとつであった極東退屈道場をやっと見にいきました。第20回OMS戯曲賞の特別賞を受賞した作品らしいです。OMS戯曲賞自体よく知りませんが、大阪の戯曲賞で、この作品の稽古も大阪で行われた模様です。
コインパーキングに来る人のモノローグを間に挟みながら、フェイクガールズという4人娘の時空を超えた旅の話です。ほとんど道具を使わずに体だけで表現されていくのですが、変にストイックにならず、その点は好感が持てました。途中、国性爺合戦がでてきて妙に知的レベルの高い芝居でした。何を言いたいのかは全くわかりませんが、戯曲と役者の演技には好感が持てました。
しかし、佐藤信の演出を見るといつも思うのですが、「俺は全てわかっている。それを理路整然と展開してやるから、心してみろ。」といわれているようで
、凡人の私には違和感しか感じらません。

東葛スポーツ「ラッパー・イン・ザ・ダーク」

2015年4月16日 20時開演 3331 Arts Chiyoda/1F・ギャラリーB
構成・演出・DJ:金山寿甲
出演:佐々木幸子、森本華、牛尾千聖、宮部純子、村野瑞希、唐鎌将仁
入場時に延々と東京裁判の記録映像が流されていて、いったいどんな芝居が始まるのかとどきどきしましたが、始まった芝居は一切関係なく、「ヒップホップ演劇」もしくは、「ヒップホップミュージカル」をやりたいという女の子のお話でした。
というか、ビョークの「ダンサー・イン・ザ・ダーク」と映画「桜の園」から、色々なシーンを抜き出してきて、映画の登場人物と会話をしたり、映画のシーンをまるまる流したり、それが終わると決してうまいとは言えないヒップポップを歌ったりするという、パクリというか、オマージュというか、コラージュのような90分でした。
なにしろ、オープニングシーンが「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の花びらが降りかかる中でビョークがDJをするシーンの再現なのですが、花びらを降らせるのは脚立に乗った
白タキシードに蝶ネクタイでタップシューズを履いた謎の男だし、サスは懐中電灯だし、少女が操っているのはオモチャのポータブルプレーヤーだというチープにして謎ばかりという有様でした。
その謎の男は、小道具を出したり、掃除をしたり、幕の開閉をしたりという裏方的な動きをするのですが、チラシをみると出演者としてカウントされていました。これも謎です。
ヒップホップのシーンになると、スクリーンに歌詞がスーパーインポーズされるのですが、そのタイミングをしょっちゅう間違えるのです。早かったり、遅かったり、映画のストップモーションも間違えるし、多分、主宰の金山寿甲が自ら操作しているのだと思うのですが、まあ、見事な間違えっぷりでした。装置も、上下からレールで緞帳代わりの幕と牢屋のシーンで使われるパイルが斜め前に手動で出てくるのですが、何しろそのレールが家庭用のカーテンレールを天井からバインド線で吊しただけなので、見事に動かないのです。牢屋のパイプは下手側が出ても来ませんでしたし、カーテンコールの時には同じく下手側の幕が全く開かず、役者が手で開けながらお辞儀をするという有様でした。
なのに、いやだからこそ、全体の印象は非常によいものでした。思わず笑ってしまう、面白いと言っていいでしょう。
昨年見たハリケーンディスコも、自分たちがやりたいことをやって何が悪いという態度でしたが、そこには虚勢をはっているというか、無理をしているという印象があったのですが、この東葛スポーツにはその頑なさはなく、あっけらかんと著作権も気にしないで、自分たちのやりたいことを自分たちの力でやるという、一種のすがすがしささえ感じました。
これがプロの大道具が仕込んだレールでスムーズに開閉したり、DJ/VJのオペレーターもプロでとちらなかったりしていたら,多分、面白さも半減していたと思うのです。へたくそな歌に感動することがあるようにへたくそな芝居に感動することもあるのだと、改めて思いました。
トラブルの多くはたまたま私が見た回に限って起きたことかもしれません。でも、その根本は東葛スポーツの基本的な考え方から来ていると思います。そして、その考え方は決して嫌いではありません。
スケジュールが合わず、なかなか見られなかった劇団ですが、次回を是非見たいと思います。


Monophonic Orchestra「さよなら、三上くん」望郷編

2015年4月15日 19時30分開演 千歳船橋APOCシアター
作・演出:須貝英
出演:大石憲、葛堂里奈、今泉舞、森崎健吾、今井端、伊藤安那、中田麦平、渡邊とかげ
全く知識のないまま、劇団名のかっこよさに惹かれて見にいきました。後で調べたところ、主宰の須貝英は元箱庭円舞曲のメンバーでした。30 Years Godo Projectの「ゴドーを待ちながら」に役者として出ていました。全く印象に残っていません。
芝居は別の劇団に書いたものの再演だそうですが、今回はその当時の話とその6年後の同じ高校の話という2バージョンになり、私が見たのは6年後の話という「望郷編」でした。
6年前に中止となった文化祭を復活させようとする元生徒会長と4人の生徒、顧問の先生で話が始まり、芝居が進んでいくにつれ文化祭が中止となった理由が明らかになっていくというストーリーですが、その中止の原因の一端をになった生徒が今その高校に教師として在籍しているという設定に無理を感じます。一応、教育委員会やPTAまで巻き込んだ騒動となった訳ですから、学校側もその教師自身も赴任してくることに抵抗があるのが普通だと思います。
その6年前の騒ぎを起こす動機になったのは好きだった三上という生徒の退学らしいのですが、ラストでその三上が現れたことを暗示して終わるのですが、それも唐突で納得がいきません。なにか、あまりできのよくないテレビドラマを見ているようでした。

2015年4月15日水曜日

マームとジプシー「ヒダリメノヒダ」

2015年4月9日 19時30分開演 神奈川芸術劇場大スタジオ
作・演出:藤田貴大
出演:石井亮介、尾野島慎太朗、川崎ゆり子、仲島広隆、波佐谷聡、吉田聡子
ゲスト:山本達久/ドラマー
系統としては、「モモノパノラマ」に連なるような藤田貴大の自伝的な要素の強い作品でした。最近、私がマームとジプシーを好きなのは、単純に「センチメンタル」なところだと思うようになりました。その「センチメンタル」が、少し湿り気があって心地よいと言うことだと思います。その観点からしても、今回の芝居は、今ひとつだと思えました。このところ青柳いずみの主演が続いていて,彼女のちょっと不思議ちゃん系の語り口で物語られると、物語の出来不出来とは別に「少し湿り気のあるセンチメンタル」が十分に成立してある種の感動がありました。今回、青柳いずみは出演せず、その役割は吉田聡子に回ってきました。吉田聡子も湿っぽくならないセンチメンタルを目指してがんばったのだと思いますが、結果、ナイーブなヤンキーのようにしか見えませんでした。多方面から同じことを繰り返して語るという独特な手法も、当事者とその他の人々というようなざっくりとした分け方で語られて、その有効性を発揮できていませんでした。
「COCOON」で私小説作家から抜け出したと思われた藤田貴大ですが、明らかに後退してしまったに見えます。

はえぎわ「飛ぶひと」

2015年4月8日 19時30分開演 下北沢ザ・スズナリ
作・演出:ノゾエ征爾
出演:町田水城、川上友里、岡部たかし、山本圭祐、滝寛式、山口航太、恋塚祐子、竹口龍茶、鳥島明、鈴真紀史、富川一人、中前夏来、井内ミワク、踊り子あり、松田七美、松森モヘー、萩野肇、橋口勇輝、ノゾエ征爾、中川綾子
地点の「三人姉妹」を見てからの芝居が全て面白くなかったので、「これはひょっとしたら、地点病ではないか。あのひりひりするような緊張感がないと、面白く見られなくなったのではないか。」と心配していたのですが、この芝居を見てそうではないことがわかり、安心しました。
一見緊張感とは無縁な感じで、短いエピソードを暗転でつないでストーリーは進行していきます。何回も繰り返される暗転が、ゆったりとしたリズムを刻んで不思議に飽きさせません。自分の運転時の不注意で妻を死なせた男が、半年ぶりに引きこもりから脱出しようと車を直して旅に出ます。でも、すぐに事故って,色々なひとを同乗させることになるという、ロードムービーのような話です。当然、同乗してくる人々は一癖あるのですが、GPSドローイングで全国に親切の絵を描こうと試みるヒッチハイカー、子供の頃の勇者ストーリーを信じて正義を貫こうとするドジな婦人警官、その弟でバービー人形とだけ話すひきこもり、それぞれ笑わせてくれます。特に、引きこもりの弟を演じた山口航太のラップは、今まで聴いた中で一番不器用なラップでしたが、思い切り笑わせてもらいました。
この芝居を見て、緊張感とは無縁に見えても面白い芝居はあるのだと、再確認できました。

Pebble

2015年4月9日
世の中、アップルウォッチの発売で騒がしい中、スマートウォッチのPebbleを買いました。
iPhoneで音楽を聴くときに、早送りが一発で決まらずにイライラしていたので,その解消が主な目的です。
最初は、C-SHOCKのBluetooth搭載のモデルを考えていたのですが、実物を見たところあまりのデザインの悪さにびっくりして、その線は消えました。
私がスマートウォッチでしたいことは、
1. iPhoneの音楽プレーヤーの操作をしたい。
2. 聞いている音楽の曲名、プレーヤーを知りたい。
3. メールや電話の着信を知りたい。
4. バッテリーが長持ちする。
この4点を満たすスマートウォッチを探していたところ、丁度Pebbleが新しい「Pebble TIME」という新機種をクラウドファンヂングで資金集めをしていて話題になり、WEBサイトにいったところ、現行機種でも私の要求を満たしてくれそうだったので、早速オーダーしてしまいました。
何しろ、99ドルなので、現在の為替レートでも12000円くらいしかしません。最も、
一刻も早く手に入れたくてDHLオーダーしたので、25ドル余計にかかってしまいましたが。
オーダーから3日ほどで到着しました。使い出して3週間くらいになりますが、ほぼ満足しています。充電したのは今日で3回目で、公称どおり満タンで1週間は持つようです。
1.と2.と4.については、100%満足しています。3.については、着信をバイブレーションで知らせてくれるのですが、その時間が少し短いと思います。
また、ウォッチフェイスのどれを選んでも、視認性がよいとは言えません。
思わぬ弱点は、iPhoneの方に現れました。Pebbleのために、Bluetoothと位置情報を「ON」にしているのですが、その分バッテリーの持ちが悪くなりました。
今までは、帰宅時に40%程度残っていたバッテリーが、20%を切る日も珍しくなくなりました。
今後の課題は、バッテリー内蔵のケースにすることと、イヤフォンをワイヤレスにすることです。
新しい「Pebble TIME」が7月に発売されますが、よっぽど新しい機能がない限り買い換えることはないと思います。