2018年10月26日金曜日

かわいいコンビニ店員飯田さん 第7回公演 『 手の平 』

2018年10月25日 19時30分開演 三鷹市芸術文化センター星のホール
作・演出:池内 風
出演:青木友哉(MU)、荻野祐輔(東京エスカルゴ。)、工藤さや(カムヰヤッセン)、小林 樹(カムヰヤッセン)、高川裕也、辻 響平(かわいいコンビニ店員飯田さん)、永宝千晶(文学座)、若松武史
えっと驚くほどのリアリズムで芝居が進行していきます。地方都市の道路再開発に直面し立ち退きを迫られる電気屋の主人と、わざわざ東京からUターンして役所に就職し、立ち退き交渉にあたる息子を巡る物語です。なぜ、今そのようなストーリーをリアリズムでやらなければならないのか、意味がよくわかりません。最終的に息子が役所を辞め、新しいコミュニティの拠点を作るべく民宿を始める計画を話し、周囲の賛同を得るのですが、それを芝居にする意味もよくわかりません。
セットも電気屋の居間のリアルな一杯セットなのですが、息子のマンションのシーンはソファ周りのサス処理、役所での上司との会話シーンは縁側の前でサス処理となり、そこに行く経過説明もなく、芝居の質も変わらないので、違和感が残ります。
三鷹芸術市民センターが毎年やっている「ネクストジェネレーション」という若い劇団を紹介するシリーズの1つとして、このような芝居が選ばれたことが驚きでした。

2018年10月14日日曜日

宮部と宮部ら「『お見合い』ーそこに愛はあるのかなー」

2018年10月12日 19時30分開演 新宿眼科画廊スペースO
作・演出:宮部純子
出演:宮部純子、山村麻由美、小田原直也、西田麻耶、黒田大輔
舞台上の挙動不審者、宮部純子による作・演出の公演。実際に自分が体験したお見合いを元にしているらしい。これが予想よりもかなり面白かった。
宮部純子はいつも舞台上で不安そうである。「私はここにいてよいのか?」「台詞をわすれたらどうしよう」とかいつも心配しているように、おどおどして見える。そこがよいのだが。
今回も前半のうまくいかなかったぎこちない会話のお見合いも、そのリベンジとしてのぞんだ妄想の居酒屋のお見合いでも、その不安さが芝居を支えていたような気がする。
あと、顔芸がすごい。お見合いのリベンジを言い出すまでの顔の変化がこの世の者とは思えないほどすごかった。

ゴールド・アーツ・クラブ「病は気から」

2018年10月4日 15時開演 埼玉芸術劇場大ホール
原作:モリエール
脚本・演出:ノゾエ征爾
出演:ゴールド・アーツ・クラブ(太陽組)
ゲストキャスト:岡田 正、飯田邦博、井内ミワク、竹口龍茶、富川一人、成田亜佑美、岩坪成美、坂辺一海、井上夕貴、髙橋英希
〈1万人のゴールド・シアター2016〉から派生した、60歳以上のための芸術クラブ活動 〈ゴールド・アーツ・クラブ〉の第一回公演。
良くも悪くのジジイとババアの学芸会、それ以下でもそれ以上でもない。ただ子供は演技をしようとして台詞を言うわけではなく、それがよいところだが、ジジイとババアは何十年も生きてきてなまじ知恵があるだけに芝居をしようとする。それが見ていて煩わしい。
よって、「病は気から」の本編部分はほとんど見ていて恥ずかしくなるだけだ。演出のノゾエ征爾が付け加えた自分の言葉で話す部分は、素直に心に入ってくる。ほとんど、結婚年数と、相手への感謝の言葉だけだが。
学芸会なので知り合いが多数見に来るわけだが、何しろ出演者が多いので(多分、400人弱)、「誰々さんはあそこかしら。メイクしてるからわかりにくいわ。」と、客席が常にうるさい。自分のように演劇的な関心で見に来た者の法が少数派な感じだ。