2015年1月30日金曜日

親族代表「親族旅行記」

2015年1月26日 20時開演 下北沢駅前劇場
作:
1 小林賢太郎「影響を受けた男とその友人と友人」
2 故林広志「シンラバンバンバン・ショー」
3 ブルー&スカイ「野間口徹と・・・」
4 岩井秀人「コンビニ(あるいは謝罪について)」
5 故林広志「詫びる男」
6 福原充則「We are the world」
7 嶋村太一「三つ巴マン」
8 ケラーノ・サンドロヴィッチ「三人で死ぬ」
演出:福原充則
出演:嶋村太一、竹井亮介、野間口徹
観客の人気投票も参考にした今までのコントの再演集でした。作家が全員芝居の脚本家なので芝居っぽいですが、やはり芝居とは少し違うような気がします。
芝居と違うのは、笑いを目的としていること、比較的短いなど色々あると思いいますが、一番違うのは、登場人物の性格付けのやり方だと思います。芝居と違い、そのコントに必要な役割をキャラクターとして演じると言えばよいのでしょうか、基本はあくまでもその役者の地であって、そこに役がプラスされている感じがします。

劇団鹿殺し「ランドスライドワールド」

2015年1月15日 19時開演 下北沢本多劇場
作:丸尾丸一郎
演出:葉月チョビ
出演 : 丸尾丸一郎、オレノグラフィティ、木村了、山岸門人、今奈良孝行、円山チカ、鷲沼恵美子、坂本けこ美、橘輝、傳田うに、美津乃あわ、浅野康之、近藤茶、峰ゆとり、有田杏子、浦上祐輔、木村綺那、清川果林、寺戸真里菜、中島雄太、松尾珠花、妻鹿益己、安井直美
1年間のカナダ留学を終えた演出の葉月チョビの復活公演なので、見に行きました。また、チョビが出演しない初めての公演でもあったそうです。そのせいか、いままでになく舞台の隅々まで演出の行き届いた芝居ではありました。しかし、私の好きだった鹿殺しはもうそこにはありませんでした。私にとっての鹿殺しの魅力は、有名になりたいという気持ちが恥ずかしげもなく前面にでていて、そのために技量が伴わなくてもあらゆることをやる。それがコスプレだったり、着ぐるみショーとなって舞台に現れる。その技量のなさを補おうとするエネルギーこそが魅力でした。しかし、回を重ねるたびにそれなりにテクニックがつき、破綻は少なくなってきました。するとそこに残ったものは、そんなに芝居のうまくない普通の小劇団でした。
今回の芝居も、田舎の狭い地域に閉じ込められてそこから出たいという思いもありつつ、出て行けない人々を描いて、劇団のジレンマと重なるところも多いのですが、ヘビーメタルを取り入れたり、ノーベル文学賞をとった「蝿の王」のモチーフを取り込んだり、いろいろな試みをしているのですが、それらが何となくきれいにまとまってしまうことこそが、鹿殺しの今の問題だと思います。

趣向「奇跡の年」

2015年1月11日 14時開演 神奈川芸術劇場大スタジオ
作:オノマリコ
演出:扇田拓也
ムーブメント:小林真梨恵
出演 : 和田華子、井内勇希、斎藤まりえ、芝博文、桑原史香、こいけけいこ、和田真季乃、大川翔子、吉田能、笹野鈴々音、扇田森也、池田朋子、関森絵美
当日パンフレットで作者の名前が「オノ マリコ」ではなく、「オノマ リコ」であることを知りました。そんなことは関係なく、言葉の美しい戯曲でした。演出もその言葉の美しさを生かした端正な手法で好感が持てます。物語は、翻訳家で小説家の男とその編集者の話と、その小説家によって書かれたいくつかの物語が、単独で、あるときは絡まり合って進んでいきます。面白いのは、そのどれかに力点が置かれるのではなく、ショーケースのように同じようなバランスで現れてくるところです。そのバランスの取り方が、端正で澄み切った美しさを生んでいました。
一つ残念だったのは、ダンス的な動きが多いので、舞台上下に置かれたSSを多用するのですが、それが空間の緊張感をかなり損なっていることでした。SSの必要性はわかるのですが、袖パネルを立てるなど隠すことが出来ればもっとよくなる気がします。

南河内万歳一座「ジャングル」

2015年1月9日 19時30分開演 下北沢ザ・スズナリ
作・演出:内藤裕敬
出演 : 河野洋一郎、鴨鈴女、藤田辰也、荒谷清水、三浦隆志、木村基秀、福重友、皆川あゆみ、鈴村貴彦、松浦絵里、谷奥弘貢、内藤裕敬、小池裕之、吉井希、和田亞弓、ことえ、駒野侃、村上陸、本木香吏
1980年から続く老舗の小劇団で、大阪が本拠地にもかかわらず東京でも年1,2回の公演をうつという驚異の持続力は、それだけでも賞賛に値すると思います。
いままでも、何回も見に行こうとしたのですが、なかなかスケジュールがあわず、このたび、新年最初の芝居としてみることが出来ました。
老舗らしく、観客層も観客層も幅広く、若い人からわたしのような年寄りまで満員でした。
芝居は、「古き良き昭和の小劇団」そのもので、大変面白かったのですが、離風霊船のときと同じように、最初は懐かしさもあり面白いのですが、回を重ねると飽きてくる恐れがあります。まあ、まなじりを決して「見なければならない」と考えるような芝居でもないので、ぼちぼち、スケジュールがあえば見に行きたいと思います。