2016年3月16日 19時開演 神奈川芸術劇場大スタジオ
作:エルフリーデ・イェリネク
構成・演出:三浦基
出演:安部聡子、石田大、小河原康二、窪田史恵、河野早紀、小林洋平、田中祐気
当たり外れの差が激しい地点ですが、今回は当たりでした。しかも、その当たりが今までと違う、新しい当たり方でした。
前半は,苦行が続きます。しかし、後半になるとその苦行が必要なものだったと納得できるのです。ちょうど、テレビのドキュメンタリーでは映らない平地からの荷揚げの行軍がエベレスト登頂に絶対に必要であるように、必要なんだと納得できました。
そうして登った山頂は美しいところではなく、ゴミやひょっとしたら死体なんかも散乱している相当ひどいところだと教えてくれます。
イェリネクの前作「光のない」は、死後の世界というイメージでしたが、このスポーツ劇は現実の世界です。
その現実に向かって、地点は「今のこの現実は相当ひどいところだぞ。皆、わかっているのか。」と言葉を投げつけてきます。
こんな地点は、初めてです。試みの全てがうまく機能しているとは思いませんが、十分面白かったです。
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