2015年1月15日 19時開演 下北沢本多劇場
作:丸尾丸一郎
演出:葉月チョビ
出演 : 丸尾丸一郎、オレノグラフィティ、木村了、山岸門人、今奈良孝行、円山チカ、鷲沼恵美子、坂本けこ美、橘輝、傳田うに、美津乃あわ、浅野康之、近藤茶、峰ゆとり、有田杏子、浦上祐輔、木村綺那、清川果林、寺戸真里菜、中島雄太、松尾珠花、妻鹿益己、安井直美
1年間のカナダ留学を終えた演出の葉月チョビの復活公演なので、見に行きました。また、チョビが出演しない初めての公演でもあったそうです。そのせいか、いままでになく舞台の隅々まで演出の行き届いた芝居ではありました。しかし、私の好きだった鹿殺しはもうそこにはありませんでした。私にとっての鹿殺しの魅力は、有名になりたいという気持ちが恥ずかしげもなく前面にでていて、そのために技量が伴わなくてもあらゆることをやる。それがコスプレだったり、着ぐるみショーとなって舞台に現れる。その技量のなさを補おうとするエネルギーこそが魅力でした。しかし、回を重ねるたびにそれなりにテクニックがつき、破綻は少なくなってきました。するとそこに残ったものは、そんなに芝居のうまくない普通の小劇団でした。
今回の芝居も、田舎の狭い地域に閉じ込められてそこから出たいという思いもありつつ、出て行けない人々を描いて、劇団のジレンマと重なるところも多いのですが、ヘビーメタルを取り入れたり、ノーベル文学賞をとった「蝿の王」のモチーフを取り込んだり、いろいろな試みをしているのですが、それらが何となくきれいにまとまってしまうことこそが、鹿殺しの今の問題だと思います。
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