2015年7月23日木曜日

さんぴん「NEW HERO」

2015年7月17日 19時30分開演 東京芸術劇場アトリエイースト
作・演出:さんぴん
演出監修:三浦直之
出演:板橋駿谷(ロロ9,北尾亘(Baobab),永島敬三(柿食う客)、福原冠(範宙遊泳)
色々な劇団に所属する若手男優が4人集まって、一般の人々にインタビューをし、それを自分たちなりに構成・演出して物語るという試みでした。なぜ彼らがそんなことを思いつき、実行に移したのかはわかりませんが、面白い試みだとは思います。
一般の人々とは言え、その中には彼らの肉親も(主に、祖父や祖母)含まれるため、その距離感が露骨に話し方に反映されてしまいます。知らない人に聞いた話は結構客観的に再構成されて聞きやすいのに、肉親の話は情に流されて聞きにくいところが多々ありました。その揺らぎと、話をまとめなければいけないという意識が、スケールを小さくしているように見えました。どちらかに振り切って進まないと、進路は見えてこないと思います。
客観的に進むなら誰か第三者の脚本家が必要だと思いますし、情にながされるなら、集団演出は難しいと思います。(悪のりという形で、一気にエスカレートする可能性はありますが、持続はできないと思います。)
役者としては、板橋駿谷が目につきました。筋トレ好きなのは知っていましたが、4人の中で際立った肉体を持っているのに、不器用で板橋駿谷以外を演じられないところに好感が持てます。他の3人が結構小器用に役を演じ分けてくるので、その不器用さがいっそう目立ちます。できれば、この不器用さのまま、成長していってほしい物です。

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