
何より面白かったのは、制服の着こなしや,立ち振る舞いから「現実の女子高生は,そんなにきれいなものではない」と、無自覚でしょうが、主張しているように感じられる場面が見られたことでした。誰も意図したことではないと思いますが、私にはそこが一番面白かったです。
もう一本の都立東高校「走れダメロス」は、前半は謎のおばあちゃん軍団が走り回り、コンビニでうまい棒を強奪したり、桃色クローバーZ風に唄ったり踊ったりしているうちは楽しかったのですが、後半、セーラー服になって、「私たちが反対の声を上げなかったから、孫が遠くの土地に送られてしまうようになったのか!」と言い出すともう行けません。
今年の安保法案の成立やSEALSの活動の影響から出てきた主張でしょうが、どのような主張も演劇的に成立しなければ、イタイ主張に過ぎないということが未だに理解でいていないのは残念です。高校演劇らしいといえば高校演劇らしいのかのしれませんが、高校演劇の1つの大きな壁を見たように思います。