2019年8月29日木曜日

清水宏の戯曲の真相 SEASON2「熱海殺人事件」

2019年7月16日 19時30分開演 横浜若葉町ウォーフ
監修:佐藤信
出演:清水宏
清水宏が、戯曲についてスタンドアップコメディをすると知ったので、見にいきました。
出だしは、熱海に現地調査に行っておばさんたちとストリップを見た話しで始まります。これは、まあ、つかみといったところでしょうか。
次につか戯曲の本質は「差別」であるという分析、これも「差別を肯定も否定もしていない」という的確なコメントはあるものも、あっさりしたものでした。
ラストは、「熱海殺人事件」のハイライト、取り調べのシーンを一人芝居で演じる、という構成で、全部で1時間くらいでしょうか。
短い休憩をはさんで、佐藤信とのアフタートークがありました。アフタートーク嫌いの私ですが、つか戯曲の突っ込んだ話が聞けるかと思い、残って見ましたが、つかこうへいの話は一切せず、佐藤信の出自はアングラなのかとか、なぜ若葉町ウォーフを作ったのかという話しに終始しました。
コメディをする清水宏よりも役者としての清水宏の方が好きな私としては、残念な結果に終わりました。
コメディという芸は(これは落語や漫才も同じだと思いますが)自分のパターン、芸風と言ってもいいですが、これを確立してそれにお客を引きずり込む事が要だと思います。その意味ではワンパターンなものです。そのワンパターンに以下にうまく誘導するかが腕の見せ所なのです。清水宏がスタンドアップコメディでみせる過剰な熱量は非常に面白いものではありますが、それでもいつもうまくいくとは限らず、時にはうっとうしいものになります。それよりも芝居の舞台に立っているときにそこはかとなく漂う違和感、なぜか芝居の一部になりきれていないと感じているような孤独感のほうが、私は好きです。

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