2012年7月4日 19時30分開演 下北沢ザ・スズナリ
作・演出:前川麻子
出演:伊佐山ひろ子・明星真由美・松永玲子・有園芳記・白井圭太・十貫寺梅軒
伊佐山ひろ子といえば、40年前の日活ロマンポルノで、おっぱいが小さくてもエロい人はエロいことを教えてくれた人でした。でも、それから40年たっているし、もともと映像の人で舞台経験はほとんどないようですから、大丈夫だろうかと心配しながら見に行きました。
結果は、ぎりぎりセーフという感じでしょうか。緊張のせいか、年のせいか、台詞が落ち着かず、周りに対する反応も鈍いものでした。その分、残りの二人の女優が大車輪の活躍でストーリーを進めていくという感じでした。
話は、新任の美術教師(明星真由美)が生徒と無理矢理関係を持ったという噂が流れ、事実無根にもかかわらず、噂だけがエスカレートして周りが右往左往してしまう。犯人は、中年の国語教師(伊佐山ひろ子)で、関係を持った生徒に捨てられると同僚の英語教師(松永玲子)の息子に手を出したり、美術教師の日記をねつ造して夫に読ませ仲を裂いたり、以前には音楽教師にストーカーしてやめさせたりする、極悪非道ぶり。
でも、舞台上では、我関せずのマイペースを貫くという不思議な感じでした。それを犯人と誤解される美術教師を演じた明星真由美が、思ったことを口にすぐ出す天然が入ったキャラクター全開で演じて、カバーしきっていました。
あて書きの台本だと言うことなので、役者の力量、性格を考えて、この構成になったものと思われますが、この不思議なバランスを作り出した作・演出の前川麻子の才能はたいしたものだと思います。
ぎりぎりセーフな伊佐山ひろ子でしたが、ラストの「愛なんかいらない」という台詞には、ゾクッとする魅力がありました。あれだけでも、伊佐山ひろ子が出てきた価値があると思います。
前川麻子の次回作は、ぜひ、みたいと思いました。
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