2013年3月14日木曜日

月刊根本宗子「今、出来る、精一杯。」


2013年3月12日 18時開演 下北沢駅前劇場
作・演出:根本宗子
出演:早織、加藤岳史、墨井鯨子、梨木智香、大竹沙絵子、前園あかり、下城麻菜、あやか、遠藤隆太、浅見紘至、野田裕貴、根本宗子、片桐はづき
劇団名の珍しさに惹かれて見に行きました。結論を一言でいえば、高校演劇じゃないんだから、そんなに頭でっかちにならないで芝居をして欲しいということです。
チラシや当日パンフレットにも書かれていますが、最近、根本宗子の親しい人が亡くなったようで、そのことに影響を受けて書かれた芝居のようです。
他人との関係をあまりにも真面目に、もしくは頑なに自分の考えを貫き通そうとするために、めんどくさい人になっている人々が描かれています。中学時代に事故で女性を半身不随にしてしまい、自分はどもりになってしまった人、引きこもりに惚れたため相手のすべてを肯定しすぎて、完全に依存され自分も崩壊してしまう人、前のバイト先で自殺がおき、それを自分のせいだと思ってしまい、さらに自分のからに閉じこもってしまう人など、様々なめんどくさい人々が出てきます。その人たちが、一人のバイトのわがまま放題の振る舞いに振り回され、やがて、自分なりの「今、出来る、精一杯」を考えて、一歩を踏み出そうとする。そんなストーリーなのですが、何しろ、ほとんどすべてを台詞で説明してくれるので、芝居を見ているというよりは、芝居の解説を聞いているような感覚に陥ります。最後に、駄目押しでスライドで、「人間関係はめんどくさいことが色々起きる。一度に呑み込むことはできないけれど、精一杯飲み込んで前に進んでいこう。それが、私にできる精一杯。」(おおよそ、そのような意味だったと思います。なにしろそれまでに説明が多すぎて、お腹いっぱいの状態だったので、半目を開いているのが精一杯だったので)という言葉が出てしまいます。
これを出すくらいなら芝居なんかやめて小説か、エッセイでも書けば良いのにと思わざるを得ません。それは、芝居を見たお客さんが感じることで、そのために芝居をするにではないでしょうか?
完全に勘違いしているとしか思えません。
次回作を見に行くことはないでしょう。

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