2013年11月15日 19時開演 青山円形劇場
作・演出:前川知大
出演:ハマダ信也、安井順平。伊勢佳世、盛隆二、岩本幸子、森下創、大窪人衛、清水葉月、手塚とおる
イキウメにおける前川知大のテーマはこのところ一貫して、「集団に異物が入ってくることにより起こる集団の変化」です。その異物が、宇宙人だったり、モノリスだったり、超能力者だったするのですが、焦点は「集団の変化」にあります。そして今回はホラーと言うことで、ゾンビというか化け物が現れ、人にとりつきやがては死んでしまうということになっています。原因は引っ越してきた少女で、彼女の初潮が始まって以来住んでいる町内にゾンビが現れるようになり、それが原因でその家族は引っ越しを繰り返していたのでした。
道具立ては完全にホラーですが、ホラー的な脅かしの演出があるわけではないので少しも怖くありませんし、集団の変化についても町内がゴーストタウン化してしまうだけなので、印象に残るシーンもありませんでした。名前や人間関係、職業などの設定がしっかりしていることからくる構成力はさすがイキウメという感じですが、結果としては不満がのこる舞台でした。
今回、もっとも印象に残ったのは、装置でした。9尺×9尺の4尺高の二重が四つ、3尺ずつ離れておいてあるだけの装置ですが、二重が各家庭の部屋として使われ、間の3尺の通路が人々の行き交う道として設定されていました。各家がどの二重と決めないでシーン、シーンで役者が3尺幅を飛び越えて展開していくスピード感は快感でした。
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