2014年9月11日木曜日

風琴工房「我が友ヒットラー」

2014年9月10日 19時30分開演 渋谷 TRUMP ROOM
作:三島由紀夫
演出:詩森ろば
出演 : 古河耕史、朝倉洋介、山森大輔、小田豊
前回の「Proof」の芝居がおもしろかったので,見に行きました。まず第一に、その芝居にふさわしいと思える場所を探す情熱に感心します。
「Proof」の時は空に浮かんでいるように見える全面ガラス張りのビルの1室でしたし、今回は渋谷の怪しげな雑居ビルの1室でした。普段は、バーか,クラブとして営業しているであろうアンティークのシャンデリアや、ミラーが所狭しと飾ってある退廃的なムード漂う不思議な空間でした。
その退廃的なムードが背景としてふさわしいと考えて選んだと思われるのですが、その効果が発揮される以前に芝居が残念な結果しか残せていませんでした。
シェイクスピアの作品が典型的ですが作家の書く言葉に力がありすぎる場合、それを言う役者の力量も比例して必要になってくるわけで、それが不足しているときには、今回のように悲しい結果にならざるを得ないということでしょうか。
特に、今回のように本当に役者が目の前で演じていると、演技している役者と一緒に演技していない素の肉体も垣間見えてしらけてしまいます。
考えてみれば、三島由紀夫の戯曲をちゃんと見たのは初めての経験でした。今まで食わず嫌いでしたが、台詞の力強さや構成の巧みさは、さすがな物があります。
次に三島の作品を見るときには、うまい役者の座組で見たい物です。

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