2012年2月10日 19時30分開演 下北沢駅前劇場
作演出:池亀三太
出演:神戸アキコ、浅利ねこ、石黒淳士、猪股和麿、武田有希子、浅見紘至、浅見臣樹、黒木絵美花、でく田ともみ、町田水城、松本大卒、満間昂平
私のなかで密かに始まった「チャレンジ観劇シリーズ」第二弾。
これは大きな劇場で芝居を見ても、今ひとつおもしろくない。みんな芝居もうまいし、よくできているけれど、なぜかわくわくどきどきしない。そんな思いから、とりあえずわくわくどきどきするために、今まで見たこともない劇団やユニットを見に行くギャンブルシリーズです。
ルールは、劇場でもらったチラシやWeb上の情報からおもしろそうな物を選び、必ず予約して見に行く。劇評や感想は、考慮しない。なぜなら、基本おもしろいと思った人が感想を書くので、参考にならないことが多いからです。
ちなみに、「チャレンジ観劇シリーズ」第一弾は、ハイバイでした。
さて、ぬいぐるみハンター。
三蔵法師や黄門様、イージーライダー、イソップ童話のウサギとカメ、童謡の犬のおまわりさんと迷子の子猫ちゃん、猿岩石などが、なぜか一本道をひたすら前に進む話と、不器用なカップルのラブシーンと交互に描かれます。。この部分は、コントを見ているようでおもしろいです。しかし、神様が現れるあたりからタイトルと併せて、だんだんと結末が透けて見えてくるようになり、2回目の神様登場で決定的になります。
すなわち、三蔵法師たちはすべて精子であり、ゴールは赤ちゃん誕生、受精なんです。結末に向かえば向かうほど、スピード感は減り、どこかで見たようなシーンや台詞が多くなり、おもしろさは減っていきます。作者もそれを気にしたのか、ラストに今までのシーンをフラッシュバックの連続で見せることで、スピード感を取り戻そうとしたようですが、残念ながらカタルシスを得ることには失敗しています。
ほかの結末はなかったのでしょうか?
前半の疾走感のまま、突き抜けてくれればもっとおもしろかったと思います。
振り返って見れば、コントのようなシーンの台詞も、結末に向かって慎重に配置されており、プロットに従ってちゃんと構成されていることがわかります。(ただし、「ぼろぼろになって立ち止まる女」のシーンは、変にシリアスなため、全体から浮いているように感じました。)
だから、別の結末などあり得ないことはわかるのですが、ラストがあまりにも陳腐なのがとても残念です。
役者では、女優陣がそれぞれ、とてもかわいかったです。特に、不器用なカップルのムクミを演じた神戸アキコが、八面六臂の大活躍でおもしろかったです。別の演出で芝居しているところを見てみたいです。
劇団としては、次回公演を見るかどうかは微妙なところです。
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