2015年4月15日水曜日

はえぎわ「飛ぶひと」

2015年4月8日 19時30分開演 下北沢ザ・スズナリ
作・演出:ノゾエ征爾
出演:町田水城、川上友里、岡部たかし、山本圭祐、滝寛式、山口航太、恋塚祐子、竹口龍茶、鳥島明、鈴真紀史、富川一人、中前夏来、井内ミワク、踊り子あり、松田七美、松森モヘー、萩野肇、橋口勇輝、ノゾエ征爾、中川綾子
地点の「三人姉妹」を見てからの芝居が全て面白くなかったので、「これはひょっとしたら、地点病ではないか。あのひりひりするような緊張感がないと、面白く見られなくなったのではないか。」と心配していたのですが、この芝居を見てそうではないことがわかり、安心しました。
一見緊張感とは無縁な感じで、短いエピソードを暗転でつないでストーリーは進行していきます。何回も繰り返される暗転が、ゆったりとしたリズムを刻んで不思議に飽きさせません。自分の運転時の不注意で妻を死なせた男が、半年ぶりに引きこもりから脱出しようと車を直して旅に出ます。でも、すぐに事故って,色々なひとを同乗させることになるという、ロードムービーのような話です。当然、同乗してくる人々は一癖あるのですが、GPSドローイングで全国に親切の絵を描こうと試みるヒッチハイカー、子供の頃の勇者ストーリーを信じて正義を貫こうとするドジな婦人警官、その弟でバービー人形とだけ話すひきこもり、それぞれ笑わせてくれます。特に、引きこもりの弟を演じた山口航太のラップは、今まで聴いた中で一番不器用なラップでしたが、思い切り笑わせてもらいました。
この芝居を見て、緊張感とは無縁に見えても面白い芝居はあるのだと、再確認できました。

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