2015年9月2日水曜日

KUNIO12「TATAMI」

2015年8月29日 14時開演 神奈川芸術劇場大スタジオ
作:柴幸男
演出:杉原邦生
出演:森下亮、武谷公雄、大石将弘、亀島一徳
「わが星」という傑作を書いた柴幸男の新作脚本と言うことで見にいきました。演出の杉原邦生にに関しては、木ノ下歌舞伎の演出を何本もやっていて古典を現代風に演出する人という程度の認識しかありませんでした。実は、何年の前のT-PAMで演出した作品につきあっているのですが、その時の印象は、「乱雑、うさんくさい」というようなあまりいいものではありませんでした。
そのため、ほとんど期待しないで見にいったのですが、おもいもかけず面白いものでした。
ただ、その面白さの大部分は、柴幸男の脚本と主人公のタタミ屋を演じた武谷公雄の演技力によるものです。杉原邦生自身による美術や演出は、全てをたたんで何もなくなった情景を表すのに,わざわざバトンに大きな白布を吊して見せたり、声をたたんだ主人公の内面の声を聞かせるために小さなスピーカーを寝ている主人公の上に下ろして見せたりするようなあざといものが目立ち、芝居の邪魔をしているようにさえ見えました。
極めつけは、ラストシーンで息子が天から降ってきたロープを引くと金ラメが降ってくる演出で、完全にいらないシーンでした。

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