2012年1月15日日曜日

アイ・ガット・マーマン

宮本亜門 作・演出・振付 浦嶋りんこ シルビア・グラブ エリアンナ出演
2012年1月14日 13時開演 シアター・クリエ
3人の女性により歌われるマーマンの歌と、語られるマーマンの生涯、ミュージカルの女王エセル・マーマンへのオマージュ。
宮本亜門の最初にして、最高の傑作ミュージカル。
最近の宮本亜門の仕事にみられるアイディアの垂れ流し、めまぐるしい舞台転換、慌ただしい照明変化で、頭がくらくらするだけの芝居とは全く違います。演出アイディアは、演技に集中しているので、落ち着いて芝居に集中できます。何しろ装置はシンプル。(3枚の半円アーチと床の鍵盤模様、2台のピアノが盆にのって回るだけ)
残念ながら、その演出を受け止める役者は、若干、力不足でした。
エリアンナのダンスは、手足がばたばたしているだけだし、芝居ができないので彼女のパートは、ぼやけた印象しか残りません。
シルビア・グラブは美人だし、歌も芝居もうまいが、線が細すぎます。
浦嶋りんこだけは、安定していて全体のレベルをキープしていましたが、時々、声がかすれるのが気になりました。
役らしい役が存在しないこのミュージカルでは、役者本人の個性がとても重要になってくると思います。その意味では、やはり、オリジナルキャストでみるべきだったかもしれません。コンサート形式になるということで、現行キャストの日を選んだのですが、悔いが残ります。本当は、オリジナルキャスト、現行キャスト、両方みるのが正解だったのかもしれません。
芝居を見る楽しみの一つに、「その場に居合わせた幸せ」があると思います。すごい演技、歌、演出におもいもかけず出会う喜びは、芝居を見る動機の一つだと思います。それを忘れずに、知らない劇団、演出家、役者の芝居も恐れずに見に行こうと思います。

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