2013年5月26日日曜日

離風霊船「マインド2013」

2013年5月20日 19時30分開演 下北沢ザスズナリ
作・演出 : 大橋泰彦
出演:伊東由美子、松戸俊二、倉林えみ、江頭一晃、柳一至、栗林みーこ、祥子、松延春季、生津徹、川崎蘭子、沙織、秋月愛
4回目の離風霊船の芝居ですが、最初の新鮮さが薄れて普通の芝居に感じました。
2本目、3本目の「30」2バージョンが結構残念な出来だったので、「貴方はもっとできる子のはず」と勝手に期待して見に行ったのですが、残念ながら贔屓の引き倒しだったようです。
話は、ある日、珍しく早く帰ってきたお父さんの様子が少し変です。家庭に波風を立てるのを恐れるあまり、昇進を断ってきたと嬉しそうに話します。びっくりしている家族の前に、さらに3人のお父さんが帰ってきます。博愛精神にあふれ、2リットルも献血したり、もっているお金をすべて募金したりするお父さん。目の前の欲望に忠実に、食べたいウナギやトンカツをすべて買ってくるお父さん。ずる賢くて、銀行強盗をするお父さん。どうやら、満員電車の中で足を踏まれ続けたショックで、4人に分裂してしまったようです。
自分達が良しとする提案を勝手にしまくるお父さん達に、混乱する家族。ドタバタあって、結局今のお父さんを選ぶ家族に、選ばれなかったお父さんたちは自分たちの原点、子供の頃に帰ります。そこに、選ばれた今のお父さんも現れるのですが、自ら全く覚えがない(なぜなら、子供の頃には、現れていない資質だから)と言っている場所になぜもどってくることができたのでしょうか。
不思議です。
子供の頃の母親とのやり取りを見て色々思い出すが、結局、今更かんたに変えられないと呟いて、芝居は終わります。
正直な結末だとは思いますが、今、再演するならそれを突き抜けたところまで行って欲しかったです。それとも、これが年を取るということなのでしょうか。

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