作・演出 : 毛利亘宏
出演:森下亮(クロムモリブデン)、堀池直毅、井俣太良、岩田有民、甘浦裕介、加藤良子、杉山未央、山川ありそ、内山智絵、竹内尚文、桂亜沙美、中村龍介、松本寛也、川本裕之、江口愛、大山真絵子
芝居を見ながら、この感じは何処かの劇団と似ているとずっと思っていたのですが、途中で「あっ、キャラメルボックスだ。」と、気がつきました。作風とか、演技の質が同じだとかの話ではなく、両方ともエンターテイメント志向で観客を楽しませることに全力を尽くしている、その姿勢がよく似ているのです。しかし、この芝居をエンターテイメントとして見た場合、私が満足できるレベルには達していないと思います。
まず、ダンスが酷い。基本的に踊り慣れていない人たちのようで、振付は平凡、身体のきれもなく、人様に見せられるレベルではありません。
また、脚本は安物のロールプレイングゲームのシナリオみたいで、悲しい限りです。今時、「夢は諦めなければ必ずかなう。絶対に!」と言い切ってしまうなんて、恥ずかしくないのでしょうか。
ここまで書いてきて、自分のエンターテイメントに対するハードルの高さに気がつきました。これは、古くは藤山寛美の松竹新喜劇や、初期の東京乾電池、最近のシルクドソレイユが基準としてあるからでしょう。それらに無意識に比べているように思います。また、エンターテイメント志向というよりは、各々の現実を引きずり、舞台の上でなんとかそれに対峙しようとしている芝居には、シンパシーを感じて採点が甘くなっていると思います。
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