2013年6月14日金曜日

城山羊の会「効率の優先」

2013年6月12日 15時開演 池袋東京芸術劇場シアターイースト
作・演出 : 山内ケンジ
出演:金子岳憲、松本まりか、岡部たかし、松澤匠、白石直也、吉田彩乃、石橋けい、鈴木浩介、岩谷健司
前回の公演「あの山の稜線が崩れていく」を見た時には、結構骨太の不条理劇という印象だったのですが、今回の芝居は不条理劇としては、線が細すぎて納得できるものではありませんでした。その主な原因は、演技の質にあると思います。登場人物たちの演技が弱くてリアリティが感じられません。それが不条理を成立させていない一番の原因だと思います。あれでは、「なんだかなあ。」という感想が浮かぶだけで、不条理劇特有の不気味な肌触りは、生まれてきません。
いや、ひょっとすると、あれは不条理劇ではなかったのかもしれません。少しづつおかしい登場人物たちが、会社での「仕事」と、個人的な恋愛感情の間で揺れ動いて殺人を冒してしまう。それだけの話なのかもしれません。それにしても、女部長役の芝居が弱すぎて、納得がいきません。そして、ラストのセックスシーン、あれは何だったのでしょうか。舞台であんなに生々しいセックスシーンは始めて見ました。あの演出は何だったのでしょうか。あれこそが不条理です。

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