2013年9月24日火曜日

砂地「Hedda」

2013年9月18日 14時開演 新宿 Space 雑遊
原作 : H・イプセン
構成・台本・演出 : 船岩祐太
出演 :稲葉能敬、小山あずさ、岸田研二、田中壮太郎、小瀧万梨子、如月萌、杉森裕樹
シェイクスピアについで世界中で上演されていると言われるイプセンの戯曲を元に、演出の船岩裕太が構成、台本、演出した舞台でした。元の戯曲は読んでいないので、どのように構成されたのかは全くわかりません。全体の印象としては、イプセンの代表作「人形の家」と同様に、近代の女性の自我の目覚めがテーマのようです。イプセンに全く興味のない私が見にいったのは、前回シアタートラムで見た「disk」が、他の小劇団とは全く肌触りの違う、端正な芝居が気になっていたからでした。今回もその端正さは基本的に変わっていませんでしたが、それよりも、今回の演出の最大のポイントは、「役者の体格」でした。
主役のヘッダを演じる女優は、背も高く、太っていると言うよりもがっしりした体型で厚みもある立派な体格の持ち主でした。それが、ニーハイのハイヒールブーツを履いて、ミニ丈の黒のピーコートを着ているのですから、SMの女王様かと勘違いしてしまいそうです。周りを取り巻く新婚の夫や、昔の恋人は学者で、近代を表していると思われますが、みんな、背が低く、がりがりに痩せていて見るからに頼りない存在です。唯一、ヘッダに対抗できそうな人物は、旧世代を表している判事ですが、体格こそなんとか釣り合っているものの、Tシャツにトレーニングパンツというラフな格好で、ぼんやりした印象が残ります。
話が進んで行くにつれ、体格の差の意味が明確になっていき、なんとわかりやすい演出だろうと思わず、笑ってしまいました。

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