2012年3月10日 17時開演 下北沢本多劇場
作:北村想 演出:大杉祐 出演:加藤健一・小松和重・日下由美・占部房子
何よりも、「寿歌」が見たくてチケットを買いました。今年に入って、シスカンパニーが新国立で上演したのですが、スケジュールが合わず見られなかったので、こちらを見ました。
79年に書かれたという、ゆうに30年以上前の戯曲なのに少しも古くないです。核戦争後の世界を、ゲサクとキョウコという二人がいい加減な芸を見せながらさまよい歩くうちにヤスオという男と出会う。どうもヤスオは神様らしいのだが、何もできない。キョウコとヤスオは惹かれあうのだが、最後にはヤスオはエルサレムへ、キョウコとゲサクはモヘンジョダロにいくために分かれてしまう。べたな設定にべたなストーリーなのだが、不思議とイメージが広がり、見た後に様々な言葉にならない感情が残ります。
このブログを書くために、少しインターネットで「寿歌」について検索してみたところ、「六号通り診察所所長のブログ」というところに、「寿歌」の感想があり、なかに「これはゴドーを待ちながらの1バージョンだ」というような文章がありました。実は、私が一番好きな戯曲は「ゴドーを待ちながら」でして、そう言われれば同じにおいがすると、一人で納得しました。
もう一本の「シェルター」は、「ほかの出演者のテンションを軽く受け流す芝居のうまい加藤健一」という構図に飽き飽きするだけでした。唯一の感想は、「加藤健一の声は、江守徹に似ている」というものです。無理に2本立てにしなくてもよかったのではないでしょうか?
加藤健一の芝居はこの公演で十二分に見た気がするので、もう一生見なくても済みそうですが、「寿歌」はいつかどこかで上演されたら、また、是非みたいです。
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