2012年3月26日 19時開演 座・高円寺1
作:竹内銃一郎
演出:松本修
出演:すまけい、小嶋尚樹、中田春介、若松力、岡部尚、山田キヌヲ、大崎由利子、中地美佐子、山田美佳
いつもは「カフカの小説の舞台化」という、あまり私が興味が持てない作業をしているMODEの舞台を見に行く気になったのは、ひとえにすまけいが出演するからでした。私が芝居に関心を持ち始めた30年以上前に、すでに「伝説の役者」だったすまけいは、私が芝居を見始めた頃には、すでに舞台から遠ざかっていて、井上ひさしの芝居で復活したときは、私の方が舞台を見にいく意欲を失っていた時機でした。
初めてのすまけいは、片手片足が不自由で台詞回しも完全とはいえませんでした。芝居後半の娘との二人だけのシーンは、年老いた役者の芝居はこうあってほしいと私が思っていたことを具現したような素晴らしいものでした。森繁久彌や三国連太郎のような妙に偉そうな芝居でなく、どこか悲しくでも誇り高い、人間味あふれる堂々としたものでした。残念ながら、登場人物が増えてくるとまわりのスピードについて行けず、もたもたしてしまうのは残念でした。
何人かの役者が大声で怒鳴ることで怒りを表す芝居をしていましたが、それがうるさく気になりました。
舞台装置として、前面にシネマスクリーンを表す枠がつり下げられ、場面転換の時にフィルムのコマ落としのような効果がほどこされて、全体を映画にみせる演出がされていました。
また、カメラリハーサルのように台詞に詰まる→台本が出てきて段取りの確認→その前からやり直すというようなシーンもありました。これらが、「映画=虚構」を表す演出なのか、すまけいの不自由さ故の方策なのかよくわかりませんでした。
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