2012年10月4日木曜日

劇団本谷有希子「遭難」

2012年10月3日 19時開演 池袋東京芸術劇場シアターイースト
作・演出:本谷有希子
出演:菅原永二、美波、佐津川愛美、松井周、片桐はいり
黒沢あすかの病気降板に伴い、主役が女優から男優(菅原永二)に変更されるという大胆きわまりない交代劇のあった「遭難」を見ました。情報不足で、交代自体も劇場でもらったパンフレットを読むまで知りませんでしたし、黒沢あすかについても全く知らなかったので、彼女が演じていたらどんな芝居になったのか、想像することもできません。
本谷有希子は、この芝居で新しい悪人を描きたかったのだと思います。自分が大好きで、自分の気に障るものは、盗聴や盗撮、ストーカー行為をしてでも排除していく。その行動が、周りの普通の人々の悪意を引きずり出していく。そんな極悪人を演じるには、菅原永二は優しすぎるというか線が細すぎると思います。
ラストシーンはすべての悪事がばれ、自殺未遂の生徒に電話越しに謝らせられた(具体的な台詞は聞こえません)のち、一人残って、隠し持っていたお菓子を食べるというものですが、ここで、「それでも私は今まで通り生きていく。」というふてぶてしさが見えれば、世界が一挙に広がったと思うのですが、私が感じたのは、そのまま死んでしまいそうな弱さだけでした。
たぶん、菅原永二の本来の人の良さが裏目に出たのだと思います。

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