作・演出:本谷有希子
出演:菅原永二、美波、佐津川愛美、松井周、片桐はいり

本谷有希子は、この芝居で新しい悪人を描きたかったのだと思います。自分が大好きで、自分の気に障るものは、盗聴や盗撮、ストーカー行為をしてでも排除していく。その行動が、周りの普通の人々の悪意を引きずり出していく。そんな極悪人を演じるには、菅原永二は優しすぎるというか線が細すぎると思います。
ラストシーンはすべての悪事がばれ、自殺未遂の生徒に電話越しに謝らせられた(具体的な台詞は聞こえません)のち、一人残って、隠し持っていたお菓子を食べるというものですが、ここで、「それでも私は今まで通り生きていく。」というふてぶてしさが見えれば、世界が一挙に広がったと思うのですが、私が感じたのは、そのまま死んでしまいそうな弱さだけでした。
たぶん、菅原永二の本来の人の良さが裏目に出たのだと思います。
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