2012年11月13日 19時30分開演 錦糸町済みだパークスタジオ
作・演出:福原充則
高尚な思想や斬新な表現がなくても、おもしろい脚本と的確な演出、よい役者がうまくかみ合えば、おもしろい芝居ができることを証明しているような舞台でした。この前の鋼鉄村松の台本も、ここの役者がやったらおもしろく見られたかもしれません。
私が一番びっくりしたのは、状況劇場的演出、「私のお兄さんを知りませんか」と叫んで、正面向いてミエを切る、すると派手な音楽が大音量でかかり、舞台が真っ赤になる。というような演出が方法論として成立し、それを観客も違和感なく受け入れていることでした。私の中では、そのような演出はそれを支える過剰なロマンチックでファナティックな論理がなければ成立しないという感覚あったので、そのようなバックボーンなしでも成り立っているのを見るのは、軽いショックでした。きっと、この演出家は状況劇場というか、唐十郎が大好きなんだと思います。
役者では、ヒロイン役の野口かおるが素敵でした。泣いたり笑ったり叫んだり、自由奔放に暴れまくって、最後には本物の自動車でセットに突っ込んできました。まるで、可愛いくて若い李麗仙のようでした。他の芝居をするところも見てみたいです。
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