2012年11月21日 19時30分開演 池袋東京芸術劇場シアターウェスト
作・演出:三浦大輔
当日パンフレットに日本人特有の虚無感への言及があったが、舞台装置もそれをストレートに表したものだった。床には万年床がひかれ、えたいの知れないゴミが散らばり、壁はポスターが隙間なく貼られている。天井にまで国旗などが貼られている。ものに溢れた床、壁、天井に囲まれた空間には何もない。肉体すらもない。役者はほとんどの時間を寝そべって過ごし、立ち上がるのは、トイレに行く時か、部屋から出入りする時だけだ。台詞もなく繰り返される動きは、この空間の空虚感を強調するためだけに、おこなわれているようだ。
いろいろなところで書かれている過激な性描写は、出来の悪いエロビデオみたいでいただけない。演出家のサービスだと思うが、悪いサービス休むに似たりというか、邪魔にすらなつていると思う。
岸田戯曲賞授賞後の第一作を、これにした作者の勇気には感心するが、今これを再演することにどれだけ意義があるだろうか。
ポツドールは、この虚無感を抱えてどこに行くのだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿