2019年2月16日 14時30分開演 横浜BUKATSUDO HALL
作・演出:山田由梨
出演:島田桃子、山本雅幸、田島ゆみか、大竹このみ、青山祥子
「贅沢貧乏」というのは素敵な名前だと思います。また、一軒家やアパートで長期公演をするなど、芝居を演じる場所に対しても問題意識を持っているラディカルな集団という印象もあります。初めて見たときは、そんなラディカルな集団なのに芝居の中身は結構普通じゃないかという印象でした。
今回は、半分同棲しているような男女が妊娠をきっかけに、二人の意識の違いが表面化していくストーリーです。よくある話ですが、後半、男女の立場が逆転し、男が妊娠したという設定にするっと入れ替わり、前と同じ台詞を男女が入れ替わって言い合うというかたちになります。すると、前半で男が戸惑いながらも女のためを思っていっていた言葉がいかに空々しいものであったかと言うことが明白になります。前半の最後の男は、狭いところに閉じこもって、うじうじとパズルをやり続けるのに比べ、ラストの女はいったん蹲るものの、すっと立ち上がってリンゴをかじりながら外に出て行きます。今の時代にふさわしいエンディングでした。
多分、タイトルの「わかろうとはおもっているけど」の後に続く言葉は、「だめでも私は一人で行く」なのでしょう。
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