2019年2月26日火曜日

OM-2「OPUS-10 アノ時のこと、そしてソノ後のこと」

2019年2月22日 19時30分開演 下北沢ザ・スズナリ
構成・演出:真壁茂夫
出演:佐々木敦、芝崎直子、金原知輝、ポチ、田仲ぽっぽ、辻渚、細谷史奈、高橋あきら、風祭右京、ふくおかかつひこ、坂口奈々、鐸木のりす、高松章子、梨本愛
ダンボール箱が積み上がった壁の前で本を読む少女。やがてダンボールの壁は大音響と共に吹き飛び、中から現れたのは、床も壁も真っ白な空間にロッカー、長机、パイプイスの更衣室のようなセット。その前で太った男が父親殺しの話を延々と喋り続ける。後ろでは、白塗りのコロスがうごめく。やがて白壁は崩れ、その後ろには憲法を墨書きした木パネルと、「平和憲法を守れ」と訴える群衆の姿が現れる。ラストは、降ってきた大量の血糊で全身真っ赤に染まる男。
これは私が40年前にわけもわからずに見ていたアングラ演劇そのものだ。確かに、映像など技術的にはアップデートされているが、手法としては全く変わっていない。「ストーリーを説明する演劇よりも、感情を爆発させる舞台を」というコンセプトはわかるが、私の中では、その段階を経て新たなストーリーを獲得するように進化してきたと思っていたので、いまさらアングラ演劇を見せられたことがショックだったし、若いときの自分を見せられたようで恥ずかしいような気持ちにもさせられた。

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