2019年2月12日火曜日

国際共同制作『RE/PLAY Dance Edit』東京公演

2019年2月9日 19時開演 吉祥寺シアター
演出: 多田淳之介
振付:きたまり
出演:きたまり、岩渕貞太、Aokid、斉藤綾子、シェリダン・ニューマン(シンガポール)、ソポル・ソー(カンボジア)、カリッサ・アデア(フィリピン)、ジョン・ポール・オルテネロ(フィリピン)
今年に入ってから、集中力の低下が著しく、どの芝居を見ても芝居にピントが合うのに時間がかかってしょうがない。ひどいときにはピントが合う前に終わってしまうことさえある。
この『RE/PLAY Dance Edit』も最初はわけがわからない状態だったが、一人のダンサーに集中することで面白さがわかってきた。私が注目したのは岩渕貞太、舞踏というか武術の型のような動きをするダンサーで、ある意味わかりやすい。
8人のダンサーはそれぞれ違った動きをする。曲にあわせて動き、自分の振りが終わったところで倒れる。やがて起き上がり、同じ振りを始める。曲は繰り返され、繰り返すたびにだんだん音量が上がっていく。
ダンサーは国籍もダンスのルーツもばらばらで、それぞれの振りもバラエティに富んでいて、見ていて飽きない。曲が繰り返されるたび、繰り返される振りと変化していく振りができてくる。曲の音量に合わせて振りが変化していくのを見ていると、不思議な興奮を感じていく。
2015年に「快快」が岩井秀人の演出でオリジナルバージョンを上演したのを見ているが、その時のブログを読み返してみると、全く理解できなくて戸惑っているのがよくわかる。
オリジナルバージョンでは、役者が同じように動き回っていたのだが、その動きのパターンがわかりにくく、混乱しか感じられなかったのだと思う。
この Dance Editでは、各々のダンサーの出自による動き(舞踏、ストリートダンス、モダンダンス、カンボジアの民族舞踊、バレエなど)のバラエティが豊富で見ていてあきないし、わかりやすい。
ひとしきり踊った後、稽古後の雑談のていで、ダンサーたちの会話が始まる。その中で、各自のダンスのルーツ、夢、この演目への関わりなどが語られていく。やがて、また音楽が始まり踊り出すのだが、各自の振りにまるでカーテンコールのように客席に向かって直立する振りが加わっている。
ひとしきり踊り、そして本当に終わる。
オリジナルバージョンにダンスという要素を付け加えることで明確な切り口ができ、様々な国で繰り返し上演されてきたことで、普遍性が上がってきたのだと思う。ダンスが苦手な私にもとても面白い体験だった。

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