2013年4月26日金曜日

水素74%「半透明のオアシス」


2013年4月23日 19時30分開演 三鷹市芸術文化センター
作・演出 : 田川啓介
出演:斎藤淳子、浅野千鶴、兵藤公美、斎田恵子
知人から面白いと噂を聞いて、見に行きました。私の中では、「青年団系」と分類される人のプロデュースユニットです。
見て、なぜ私が「青年団系」の芝居を積極的に見にいかないのか、その理由を再確認しました。
いわゆる「現代口語体演劇」とか、「静かな演劇」と呼ばれる芝居は、一見、素材の味を重視したほとんど調理しない料理のように見えますが、実際には余分な台詞を排除し、なにげない台詞を目的に向かって厳密に並べていくという、かなり高度な脚本力、演出力、役者の演技力が必要となってきます。そのどれかの不足を補おうと自分なりのスパイスを効かせると、ただのよくある芝居になってしまいます。しかも、基本的に抑制された芝居ですから、脚本や演出の意図しない、役からはみ出してしまう役者の個性とか、とちった時の役者の素の部分とかを見る喜びは、ほとんど期待できません。
また、「静かな演劇」では、背景もかなり重要です。その芝居のおかれている社会情勢なり、心理的な背景が見えてこないと、単なる家庭内の愚痴の言い合いにしか見えなくなる危険性が常に存在します。
この水素74%の芝居も、残念ながらそのようなつまらない「現代口語体演劇」の一つでした。

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