2013年4月26日金曜日

庭劇団ペニノ「大きなトランクの中の箱」


2013年4月23日 19時30分開演 森下スタジオBスタジオ
作・演出・美術:タニノクロウ
出演:山田伊久磨、瀬口タエコ、島田桃依、飯田一期
マンションの一室をアトリエにして様々な作品を作ってきたらしい劇団が、老朽化によるマンション取り壊しに伴い、始めて外部で発表するはこぶね作品(箱舟とはアトリエの名前らしいです)の、第一作ということでした。スズナリの半分程の広さのスタジオに60名分のひな壇客席と、幅二間、高さ9尺ほどの額縁舞台をわざわざ作っての公演でした。額縁にはもちろん目的があって、それは、盆回しで四つの部屋を転換するためでした。しかも、そのうち二つは二階建て。ある意味、驚愕の舞台装置でした。
物語は、エディプスコンプレックスをそのまま芝居にしたようなストーリーで、ペニスのオブジェや、射精を思わせるシーンがふんだんに出てきます。普通の劇場であれば白けてしまうと思われますが、あの狭い空間では観客も共犯意識を知らず知らず持ってしまうので、白けることもありませんでした。
何より面白かったのは、あの空間を選び、執拗なまでにこだわった芝居つくりをした演出家の執念でした。偏執狂とも思えるこだわりは、怖いほどでした。

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