2016年1月28日 15時開演 吉祥寺シアター
作・総合演出:伊藤今人
出演:遠藤誠、正安寺悠造、西野正崇、塩野拓矢、梅沢裕介、野田裕貴、菊池祐太、照沼大樹、原田康正、Na☆、中林舞、七味まゆ味、稲葉麻由子、土倉有貴、YOU、楢木和也、KENZO MASUDA、伊藤今人
多くの外部からの出演者を招いての豪華二本立ての一本目、「風桶」は多分、「風が吹けば、桶屋が儲かる」を略したものですが、意味はありません。
ストーリーは、人気絶頂のロックバンドが江戸時代にタイムスリップして、勧善懲悪の大活躍をするというものですが、たいした意味はありません。
今回は初の髷ものと言うこともあり、見ていてその昔学生のころ照明のバイトをしていたニューハーフショーを思い出しました。ニューハーフの人たちは、自分がより美しくより目立つように、衣装を選び、踊り、唄います。それと同じように、梅棒は、「俺たちは踊りたいんだ。踊ることが何より好きだ。」というために、舞台に立っていることが十二分にわかります。そのためのストーリーであり、衣装であり、装置なのです。
本来ダンスは、「言葉で言えないことを表現するために踊る。」ものだと思うのですが、それだと、普段芝居を見ている私などは、そのストイックさに負けてフラストレーションだけが溜まりがちですが、梅棒は「ダンスが好きだ。」としか言っていないので、それなら私でもわかるし、共感、感動できるのです。逆に
ダンス好きの人にとって、梅棒がどう写っているか知りたいところです。
客演で、柿食う客の七味まゆ味が出ていたのですが、そこそこ踊れていて、失礼ながらびっくりしました。ただ、横で踊っているのが振付もできる中林舞なので、少々、見劣りしましたが、顔の大きさと不気味さでは勝っていました。
俳優座の「クロスジンジャーハリケーン」の時に、伊藤今人の足の短さが印象的だったのですが、今回、和服を着るとぴったり。出演者の中で、一番似合っていました。
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