2014年6月5日木曜日

DULL-COLRED POP「proof / 証明」

2014年5月29日 19時開演 新宿サンモールスタジオ
作:デヴィッド・オーバーン
翻訳・演出:谷賢一
出演:百花亜希、大家仁志、山本匠馬、遠野あすか
連日同じ芝居を見るのもどうかと思ったのですが、スケジュールの都合でやむなくこうなりました。
と思いながら開演を待っていると、後ろの席から、「マチネで風琴工房を見て、夜はここを見る」といっているお客さんがいて、上には上がいるものだとも思いました。
どうしても風琴工房と比べながら見てしまうのですが、風琴に比べるとこちらの方が全体に渋い仕上がりになっていました。しかし、戯曲の力はすごい物で、2回目にもかかわらず飽きることなく見られました。こちらのキャサリンは、自分の才能が認められないことを、少しあきらめて受け入れている少し年上なかんじで、父親はより厳格で、自分にも周りにもより厳しい印象でした。1つ残念なのは、姉役の遠野あすかで、宝塚出身のせいか、台詞のトーンの切替が極端で、一人だけ大劇場で芝居をしているようでした。
私の中では、このDULL-COLRED POPも風琴工房と同じく「正統派演劇の小劇団」の範疇に入るのですが、2本続けて「正統派演劇」を見ると、私が見たいと思っているのはこのような正統派ではないことがよくわかりました。
決して、正統派を否定するものではありませんが、その道の先には、数多くの名優がおり、それに追いつき追い越すには、とても長い年月がかかることは目に見えています。それをわかって、日々精進いくことは立派なことですが、そうではなく今すぐ自分たちの方法論で自分たちのいいたいことを言いたいという、野心や意地が見てみたいのです。
それと出逢うために、名前の知らない小さな劇団を見ているのだと改めて気づかされました。

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