2015年3月12日 19時開演 神奈川芸術劇場大スタジオ
作:岩松了
演出:松井周
出演 : 古館寛治、安藤真理、辻美奈子、奥田洋平、野津あおい、古屋隆太、田中美希恵、松澤匠、三浦直之、新名基弘、大石将弘、松浦祐也
岩松了の岸田戯曲賞受賞作をサンプルの松井周が演出するというので、楽しみに見に行きましたが、結果は残念なものに終わりました。
松井周はある暗黙の了解の元に成り立っている集団がふとしたきっかけで崩壊していく、というような話が多いですが、今回のような普通の家庭の崩壊を演出するとっかかりを見つけられなかったのではないかと思います。
娘の結婚式が終わった夫婦の寝室、二人で静かに話そうとするのですが、なぜか様々な人がやってきて様々な話が膨らんでゆく。主役の古館寛治は、色々と立派そうなことを言っていても布団の下には山ほどエロ本を隠している、どうしようもない普通の男をうまく演じていたのですが、その妻役の安藤真理がどうもいけません。近くにアパートを借りて、一人の時間を持ちたいと思っている、夫に対してもうそんなに関心がないのだけれど、無視するほど冷たくもなれない、中年の女性という役をうまくこなせていないので、登場、退場のたびに前後のつながりが切れてしまい、話がよく見えなくなります。他の役は、ワンポイントリリーフだったり、その他大勢のガヤだったりするので、夫婦の関係性がはっきりしないと、今ひとつ面白くなりません。
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