2015年11月22日 15時開演 さいたま芸術劇場大ホール
作:イヨネスコ
ベケットと並ぶ不条理劇の2大巨頭であるイヨネスコの作品ということで、わざわざ与野本町まで見にいきました。不条理劇というと、ベケットと別役実のせいでほとんど何もない舞台の上でぼそぼそ喋るというイメージしかなかったのですが、「犀」は違いました。格調高いのであろうフランス語で、2時間以上しゃべり続けられて、それを聞いているだけでとても疲れました。装置も大がかりで、2階屋の引き枠を駆使して事務所やアパートをあらわすなど凝った演出を見せてくれました。特に、事務所のシーンで上下の引き枠の2階の床を傾斜させる演出などは、どう考えても意味がないとしか思えず、笑ってしまうほどでした。
不条理というよりは全体主義へのプロテストという方に演出の重きが置かれていて、それに即したアンサンブルの動かし方などはあざやかなものがありました。
演技では、主人公の親友ジャンが犀になっていくところの芝居は、うめき声と体の動きだけで犀になっていく過程を見せきり、言葉の壁を越えることに成功していました。
今回は事前に戯曲を読み、粗筋を頭に入れてから見たのですが、やはりどうしても字幕が気になりついついそちらを見てしまって芝居に集中できませんでした。外国からの招聘作品を見るにあたって、字幕の存在は難しい問題です。
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