2015年11月24日 19時30分開演 池袋あうるすぽっと
作・演出:岡田利規
翻訳:イ・ホンイ
出演:イ・ユンジュ、捩子びじん、ウィ・ホンヒ、野津あおい
岡田利規の造る芝居の登場人物は、いつもキレイに抽象化されている。全く、生活感が感じられない。今回も同様で,その上韓国人俳優が日本人を演じ、日本人俳優が韓国人を演じるという仕掛けを施し、劇中でわざわざそれを説明するという手間までかけている。
そこまで抽象化した登場人物達が日韓の野球のエピソードを語り、最後には舞台正面奥に吊られた花のようなトランペットスピーカーの表面が水で剥がれ落ち、木地がむき出しになる。それがアメリカだということなのだろけれど、それじゃ、何も言っていないのとおんなじです。
前にも書いたが、岡田利規の芝居は現実の切り方が問題で、その切り方に共感できれば面白いが、できなければ何もない。今回は、残念ながら何もない方でした。
ただ、字幕の問題はうまく解決されていて、舞台上下のスコアボード風のセットに,韓国語と英語の翻訳が投影される。これだと視線の移動が少なくて済むので、集中が途切れることもあまりありませんでした。
字幕が必要なとは、それを前提とした装置や演出が必要だということです。
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